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〈筑紫ANC丸ゴシック〉についてのメモ

 このステキな宇宙にあるステキな書体たちについて,私が勝手に思ったことをここにメモしていこうと思います。

 今回は〈筑紫ANC丸ゴシック〉についてのメモです。

例文を組んでみました。

 一目見てわかる,気持ち良いくらいのこのクセの強さ。かなの運筆とかグニグニっと筆を押さえるところとか,表情の良さにシビれました。

 私は書体を見るときは,全体の雰囲気よりも,個々の文字のキャラクター性を感じ取り,妄想しながら楽しみます。キャラクターのキャラクター,冗談みたいですね。文字に興味をもったきっかけが,中学生の頃に出会ったレタリングだったため,一文字一文字の造形を見るクセがあるのかもしれません。とにかく,キャラクターが見えてくる文字が好きです。

 〈筑紫ANC丸ゴシック〉だと「き」が好きです。初めて見たときに「見得を切る歌舞伎役者の表情だっ!」と衝撃が走りました。

 浮世絵で見るような,それこそ東洲斎写楽の『三世大谷鬼次の奴江戸兵衛』のあの表情。キリッと睨みを利かせつつ,口はクッと閉めてあり,だらしなさを微塵も感じさせないあの感じです。

 かっこいいなぁと「き」の字をずっと見ていました。

私にはこの「き」が歌舞伎役者に見えます。

 あくまでメモなので,これくらいです。私の主観が前面に押し出された内容でした。歌舞伎役者の話とか,伝わっているのかしら。

 ではまた宇宙のどこかでお会いできれば。