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うつくしいひかり 1

今年はヨウジヤマモトさんとの仕事が一段落してから、ずっと少女を描いている。一足早く歌人の野口あや子氏と画商さんにお見せしたところ、ふたりとも「思ったより幼い!」「若い!」という反応だった。まあそうだよね。こうまであどけない少女は描いてこなかったもんね。


話は変わるが、私が生まれて初めて感動した絵画はルノワールのルグラン嬢という肖像画だ。

8歳の時に母に連れられて行ったブリヂストン美術館で対面した作品。あまりの愛らしさになんで絵の具とキャンバスだけでこんなに人を可愛く描けてしまうの?と心の底から感動した。

近くのマダムたちも「この子は大きくなったらどんな素敵なレディになるのかしら~」と話していた。

これはその時にねだって買ってもらった複製原画。子供が買うには高い金額だったはずで、滅多に娯楽品を買い与えてくれなかった母だったが、この絵だけは了承してくれた。25年の時を経て色褪せてしまった今も大切に飾っている。

思えば子供の頃は女の子をいかに可愛く描けるかだけにこだわって、毎日鉛筆を走らせていた。何かのインタビューで日本画家の池永康晟先生が、学生の頃に斜め前の席の女の子の後ろ姿や耳たぶの裏あたりを観察してノートに描いて、じょうずに描けると嬉しかった、という風なことをお話されていた。とても共感した。

私はそもそも何が好きで絵を描き始めたんだったのかしら?

原始的な思いと、持って生まれた体質、性質。それらを理解することは、描き続ける上で大切なことだろう。そのためには、考えるよりまず描いてみたいと思ったのだ。

うつくしいひかり。
大人になっても心に輝き続ける「大好きな少女」を近々発表したい。

私は作品を通じて「生きながら生まれ変われる」ことを証明したいのです。そのためには「命のありか」と「心のありか」を解き明かさなければなりません。2020年は自分の子宮の音を録音する予定。いつか子宮コンサートを開きたい。頂いたサポートはそれらの研究費用とさせて頂きます!