マガジンのカバー画像

作品について

11
私の絵画作品がどのようにして生まれたのかお話する場所です。
運営しているクリエイター

#現代アート

私たちは生まれる家を選べない だから生きながら生まれ変わりたい

アーティストの内田すずめです。 私は生まれ変わりたい。死んで転生するのではなく、現世で生まれ変わることができたなら。傷ついた子供の頃の自分を抱きしめて私たちは大人になっていく。  「転生」内田すずめ 紙に鉛筆、墨 2015年 子供の頃から理不尽に思っていたこととして、「産まれてきたくて産まれてきたんじゃないや」というのがある。誕生することが自らの意志で選べないならせめて、国や両親をチョイスして産まれて来られたら良いのに、そうした選択制度はおそらく用意されていない。

私たちは生まれる家を選べない だから生きながら生まれ変わりたい 続き

先日、卒業した中学高校へ行く機会があった。15年振りにお会いした副校長に「最近どう?」と聞かれたので「人生思い通りにはいかないっすね!」と返したら爆笑された。「そりゃそうよお~!まだまだ青いなあ~!」だってさ。そうっすよね。 ところで前回の記事↑に『命の誕生は奇跡である』『チャンスは平等ではなく、選ばれたものだから生まれてこられたんですよ』という内容のご感想を頂戴した。 内田の返答は以下。 おっしゃっていること、大人の今だからこそわかります。生命の誕生はすべて奇跡だと思

短歌と絵画のコラボレーション

アーティストの内田すずめです。日本橋三越で開催中の内田すずめ特集ー消えない星ーでは、歌人の野口あや子先生の短歌が絵画に添えられています。これはひとつひとつ新規に書き下ろして頂いたもので、私が完成した絵を画像でお送りして、それに野口先生が短歌を返信する、というかたちをとってきました。2019年の1年間、お互いの間を行き来するそれは季節の便りのようでした。 今回の展示では「消えない星」、つまり心の中で輝き続ける思い出といったふんわりしたものをテーマにしています。絵画は鑑賞者個人

展示が始まります。1/15〜1/20 日本橋三越 内田すずめ特集

「心臓」 パネル・油彩 2018年 内田すずめ 見て描くことを続けてきたのに、「大切なものほど目には見えない」ことに気づいてしまった。 ここ数年、飼っていた鳩の亡骸を描き続けてきた。写真にしか残せなかった身体も、絵に描くことで鳩の存在をこの世に残すことができる。そんな気がしていた。 ただ別れから数年が経った今、再現して残したいという欲求よりも、瞼の裏に浮かんでくる残像こそが描くべき真の姿であるという思いが強くなった。肉体ではなく命の重たさという目には見えないものこ