ドイツ雇用契約書 必ず確認すべき事項
ドイツは契約社会、とよく言われる通り雇用契約も契約書が交わされます。
雇用契約書なんてどの企業も大体同じだろう、と勝手に推測していましたがこれは大きな間違いです。
同じ企業の同じポジションであっても、入社時期やその時の人事担当者、会社の組織変更によって大事な点が大きく異なってきます。
転職の都度、雇用契約書のPDFを給与額を隠して複数のドイツ人に確認してもらっています。
加入しているならば弁護士保険を利用してオンラインで弁護士に依頼することも可能です。
雇用契約書の主なチェック事項は以下の通りです。
年次有給休暇日数
給与、ボーナスの有無
残業の支払いの有無 この点についてはこちらもご参照ください。
フレックスタイム、累計残業時間を休日に振り返れるか(有給の消化ではない!)
給与計算をいつまでさかのぼって修正するか
退職時の通知予告期限
病欠の際の対応(会社にいつまでに誰にどう連絡するかなど)
これらの点は各自で確認可能、人事と交渉できますがその他の厳密な条項については弁護士に確認することをお勧めします。弁護士がいつでも頼りになるわけではなりませんが・・・以下は経験上得たものです。参考までに。
1.年次有給休暇は最低24日から30日までです。大抵の企業が30日なのでこれより少ない場合は交渉してみてもいいかもしれません。
2. ボーナスの言及はあやふやな企業もあります。日本のように毎年必ずもらえるわけではないのでしっかり確認を。
3.4.については関連していますが、多くの企業で残業時間数を累計し、一定時間溜まると例えば月に2日までGleitzeitと呼ばれる休暇に振り返ることができる制度を導入しています。この一定時間や月の上限日数は企業によります。
5.については人事がしっかりしてない会社であったり、小規模の会社で見受けられるようで、つまり給与計算間違っても3か月前までしか遡って修正しませんよ、その後の修正は自分で確定申告してください、というものです。給与計算が間違っているなんて日本では考えられませんがドイツでは残念ながらよくあります。大企業であってもです。
6. 日本であれば1か月の退職通知が法律で義務づけられていたと思いますがドイツは個々の契約書次第です。1か月もあれば3か月もあり、さらには3か月の四半期末、というのもあります。最後のものは厄介で、転職が決まっても現職を退職するのが4,5か月先になることも。一応、上司や人事と交渉してこの期間を短くすることも可能ですが原則契約書の退職通知期間は守られなければならないので注意してください。
7. 病欠する際にとるべき対応はあらかじめ確認しておいて損はないと思います。傷病休暇は大抵1日め、2日目までの病欠は医師による証明書が不要で取得できます。
契約書は世界的な企業であったり、アメリカやイギリスに人事機能があったり、または本社機能がある場合は英語とドイツ語両方で記載されます。
ドイツで初めて手にした雇用契約書は、ドイツ人曰く「とてもいいもの」だったそうで当時は雇用契約書にいいも悪いもあるのか?と疑問に思っておりましたが、その後手にしたある企業の契約書内容の違いでようやく当時の彼のコメントが理解できました。ちなみにもう一社も初めの契約書とほぼ同じ文面でわかりやすかったです。
日本と異なり、契約書に不備、不満な点がある際は遠慮なく人事と話し合うのが普通のドイツです。私も納得がいかない点は会社に赴き再度説明してもらいました。大事なことは時間がかかってもお互い納得いくまできっちり話し合いに応じてくれるのがドイツのいいところです。遠慮は禁物、どんどん積極的に問い合わせてください。
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