落としドコロはどうなるのやら：読書録「愚王 勘定侍(八)」
愚王 勘定侍柳生真剣勝負(八)
著者：上田秀人
出版：小学館文庫
前作で、将軍家光の命を受け、謹慎を自ら解いた柳生左門。
この間では、その暴れっぷりと、柳生十兵衛との対決がメインになります
三代将軍徳川家光から柳生左門に届けられた密書。
その恐るべき中身は、「柳生を滅ぼせ」。父・柳生宗矩の策により、愛する家光から引き剥がされ、江戸から遠い柳生の庄に押し込められていた左門は快哉を叫ぶ。 ようやく公方さまの元に帰れると。歓喜のあまりについに乱心、御家の藩士に牙を剥いた左門は悪鬼
と化した。一方、ひと足遅れで領内に足を踏み入れた淡海一夜と柳生十兵衛は、酸鼻を極めた地獄絵図を目の当たりにして息を呑む。柳生最大の危機に一夜が取った計とは?
そして、待ち伏せる左門と迎え撃つ十兵衛、兄弟激闘の行方は? 驚天動地の第八弾!
一気に柳生の里制圧し、殲滅してしまった柳生左門の剣の腕は、柳生十兵衛よりも上…と設定されています。
その差をどうやって埋めるのか
その駆け引きと激突は、なかなかの見物です。
こういうの読むと、やっぱり、柳生十兵衛って時代劇ヒーローだよなぁって思います
上田さんも、その読者の期待を裏切らないように男らしい、十兵衛像を描いてくれています。
あの特徴も…。
この対決を中心にしながら、主人公やヒロインたちは、江戸と大阪の間を行ったり来たり…
主人公の改革で、柳生の経済的基盤は建て直っていますから、コレからどこを着地点として進んでいくのかなあ…と思わなくもないです。
展開としては、会津騒動が始まったあたりなんですけど、現時点で主人公たちにこの騒動はあまり関係してないですからねぇ。
それともこれから関係してくるんでしょうか？
まぁ話は面白いので、続きがあるのは嬉しいです。
柳生十兵衛のファンだしw。
欲を言えば、もうちょっと刊行ペースを上げて欲しいですけど、他のシリーズもありますからねぇ。
気長に待つことにします。