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書記の読書記録#627『初歩から学ぶ固体物理学』

矢口 裕之『初歩から学ぶ固体物理学』のレビュー


レビュー

固体物理学の教科書といえばキッテルやアシュクロフト・マーミンが有名だが,その前段階として本書を読んでおくと理解がスムーズになるだろう。


もくじ

第1章 序章―固体物理学では何を学ぶのか

第2章 結晶構造
 2.1 結晶とは
 2.2 格子
 2.3 結晶構造の具体例
 2.4 ミラー指数

第3章 逆格子
 3.1 逆格子空間
 3.2 逆格子ベクトル
 3.3 結晶による回折

第4章 量子力学の基礎
 4.1 粒子と波の二重性
 4.2 演算子,固有値・固有関数
 4.3 シュレーディンガー方程式
 4.4 物理量の期待値
 4.5 不確定性原理
 4.6 無限に深い1次元の井戸型ポテンシャル
 4.7 角運動量
 4.8 水素原子の電子状態
 4.9 多電子原子の電子状態
 4.10 調和振動子

第5章 統計力学の基礎
 5.1 フェルミ粒子とボース粒子
 5.2 グランドカノニカル分布
 5.3 フェルミ分布
 5.4 ボース分布

第6章 固体における結合
 6.1 結合エネルギー
 6.2 共有結合
 6.3 イオン結合
 6.4 金属結合
 6.5 ファン・デル・ワールス結合
 6.6 結合の概念図

第7章 格子振動とフォノン
 7.1 1種類の原子からなる1次元の格子振動
 7.2 2種類の原子からなる1次元の格子振動
 7.3 音響モード,光学モード
 7.4 3次元の格子振動
 7.5 フォノン:格子振動の量子化

第8章 固体の熱的性質
 8.1 固体の比熱
 8.2 固体の熱伝導

第9章 自由電子論
 9.1 自由電子モデル
 9.2 状態密度,電子のエネルギー分布

第10章 バンド理論
 10.1 バンドについての概説
 10.2 1電子シュレーディンガー方程式
 10.3 ブロッホの定理
 10.4 ほとんど自由な電子モデルによるバンド理論の導出
 10.5 強結合近似によるバンド理論の導出

第11章 固体中の電気伝導
 11.1 結晶中での電子の運動
 11.2 正孔
 11.3 オームの法則
 11.4 電気伝導の古典的な扱い
 11.5 ボルツマン方程式による電気伝導の扱い
 11.6 格子振動による散乱
 11.7 不純物による散乱
 11.8 金属の電気抵抗率の温度依存性
 11.9 ホール効果

第12章 固体の光学的性質
 12.1 真空中の電磁波
 12.2 物質中の電磁波
 12.3 絶縁体の光学的性質
 12.4 導体の光学的性質
 12.5 バンド間遷移による光吸収

第13章 固体の磁気的性質
 13.1 さまざまな磁性
 13.2 磁気モーメント
 13.3 磁性に関する物理量
 13.4 一様な磁束密度中における磁気モーメントのポテンシャルエネルギー
 13.5 原子あるいはイオンの常磁性
 13.6 ラーモア反磁性
 13.7 パウリ常磁性
 13.8 ランダウ反磁性
 13.9 強磁性
 13.10 反強磁性
 13.11 フェリ磁性
 13.12 磁区

第14章 半導体
 14.1 半導体のバンド構造
 14.2 真性半導体におけるキャリアのエネルギー分布
 14.3 不純物ドーピング
 14.4 pn 接合

第15章 超伝導
 15.1 超伝導体が示す現象
 15.2 臨界磁場
 15.3 磁束の量子化

 付録A 複素フーリエ変換を用いる理由
 付録B 量子力学における運動量の期待値
 付録C ωがωmaxを超える場合
 付録D 気体分子運動論による熱伝導率の導出
 付録E 図9.4の点の数が619個になることについて
 付録F ゾンマーフェルト展開の導出
 付録G 時間に依存する摂動
 付録H ランダウ反磁性の磁化率
 付録I 実際のバンド構造に対応する修正
 付録J 有効質量方程式の導出


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Writer_Rinka
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