書記が物理やるだけ#344 ほとんど自由な電子モデルにおけるバンド理論
固体物理における山場であるバンド理論について扱っていく。
問題
説明
ほとんど自由な電子(NFE)とは,金属中の電子のバンド構造を考えるときに用いられる近似法の一種で,自由電子に対し非常に弱い周期的なポテンシャルによる摂動を考える。これによりバンドギャップを説明することができる。
自由電子のエネルギーについては,フェルミエネルギーの回を参照:
バンドギャップが生じる特殊例として,以前にクローニッヒ・ペニーのモデルを扱った:
ここで,解が存在する領域をエネルギーバンド,解が存在しない領域をバンドギャップという。
近似法についてもう一つ,強結合近似では系の波動関数を各原子の場所に位置する孤立原子に対する波動関数の重ね合わせにより近似する。
解答
ほとんど自由な電子モデルについて,1次元の場合を考える。まず,シュレーディンガー方程式に代入するところまで示す。
整理することで摂動項を取り出すことができる。
最終的に,エネルギーギャップを示すことができる。
強結合近似の簡単な例として,単純立方格子の分散関係を示しておく。
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