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書記の読書記録#811『ミドルマーチ』(全4巻)
ジョージ エリオット(訳:廣野 由美子)『ミドルマーチ』のレビュー
レビュー
ジョージ・エリオット(George Eliot,1819年11月22日 - 1880年12月22日)は,イギリスの作家。本名はメアリー・アン・エヴァンズ(Mary Anne Evans,マリアン Marian ないしメアリ・アン Mary Annとも)。ヴィクトリア朝を代表する作家の一人で、心理的洞察と写実性に優れた作品を発表した。
ミドルマーチ(Middlemarch, A Study of Provincial Life)は、ジョージ・エリオットのペンネームをもつ英国の作家メアリー・アン・エヴァンスが執筆した小説。1871年と1872年に8回に分けて発表された。1829年から1832年までの架空のイングランド中部の商業都市ミッドランドの町を舞台に、それぞれ異なった生活環境の中でともに理想に燃える二人の男女の人生の経緯を描く物語。副題に「地方生活の一習作」とあるように、ミドルマーチの住民を描きながら、多彩な人生模様と心の動きを描いて、人生について深く考えさせる書となっている。
心理描写等ジェイン・オースティンから多くの影響を受けているところもあるだろうが,それよりもさらに地域社会の観察に特化した書と言える。人々の変化はそれなりに大きかったが地域としての変化は少ない,と感じたことは覚えておく。訳者については,解説にある「〈分別〉と〈多感〉」という視点が興味深い。
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