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書記が数学やるだけ#824 正多面体群の性質

群論から表現論への話題をいくつか示していく中で,正多面体群は何回か見ていくことになる。


問題

①は中学入試の問題で,三角関数なしでどう求めるか。


説明

正多面体について,以前にオイラーの多面体定理を扱った:



対称性を考えるにあたって,正多面体の双対関係が重要である。例えば正六面体について面を中心とした回転軸は,正八面体の頂点を中心とした回転軸に対応する。


多面体群の性質を以下にまとめておく。


解答

中学受験で想定される解答は,2つの正四角錐を底面でくっつけて正八面体とし,さらに正六面体で外接することで高さのみから体積が導出される。さらにここでは,正六面体と正八面体の双対関係に注目しておく。


四面体群の位数について,3種類の回転軸を数えることで求める。


双対性より,六面体群と八面体群,十二面体群と二十面体群の位数は等しい。


四面体群は4次交代群と同型であることを示す。ここでは対称変換と置換が一対一対応することを示す。


厳密には,準同型定理と位数を用いることで同型が示される。同様の手順で,六面体群と八面体群は4次対称群と同型,十二面体群と二十面体群は5次交代群と同型である。


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Writer_Rinka
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