書記が数学やるだけ#692 エルミートの恒等式
ガウス記号の練習問題として,エルミートの恒等式を証明してみる。
以前のガウス記号の問題:
問題
ガウス記号と数列和の複合問題を扱うことにする。
解答
①について,(1)が誘導となっている。これを示すにはガウス記号の定義を思い出し,不等式で挟む。結果として右辺はガウス記号なして表せる。
(1)の数列和をとると答えが見えてくる。ここで第2項を変形して第1項と同じであることにより,目当ての式を得ることができた。
では,京都府大の問題を通してエルミート恒等式を証明する。
(1)は具体例を計算する問題,数列和を分解するとaは6.5~6.6あたりだろうと察しがつく。ここで観察できることとして,[]内は6か7かであり,途中で6から7に切り替わる,=321になるには右21項が7であればよい,ことなどがわかる。
まず[a]を求めるには,[a]=mとおいたときに[]がmかm+1であることを示し,=321となるようにmの個数を決めればよい。これより[a]=6であることが示され,上の観察結果に合致する。
右21項が7になればよいことから不等式を立てることで,aの下2桁まで決定することができる。
(2)も誘導,ここで[b]=mのとき[b+1/2]の中身はmかm+1かになることを示し,右辺と比べることで証明ができる。
(1)(2)の考え方で,[]の中身はmかm+1,右~項がm+1となることから右辺の値が決まる,などを一般化することでエルミートの恒等式が示せる。
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