書記が物理やるだけ#287 ローレンツ変換の具体例
ローレンツ変換を用いて,いくつかの現象を相対論的に見ていく。
問題
解答
K'に固定した長さLの棒について,Kからみるとローレンツ変換より長さが縮んでみえる(ローレンツ収縮)。
一方で,K'の時計で測定した時間は,Kの時計で測定した時間よりも短くなる。
応用として角度の変換について見ていく。進行方向をx軸に沿って設定すると,その方向に対してローレンツ変換より長さの縮みが生じる。一方でy軸方向には変化をきたさないことから,角度の変換の式が得られる。
次にx軸方向に速度vで動く弾丸について考える。このとき各方向の速度は位置変化/時間変化,それぞれローレンツ変換で変換して,最終的に以下の式を得る。
光速は物質中において真空中よりも小さくなる,その値は物質が静止していれば屈折率で割った値となる。一方で物質が動いている場合は,ローレンツ変換により引きずりが見られる。このような現象はアルマン・フィゾーにより1851年に行われたフィゾーの実験により確認され,やがてアインシュタインの速度の加法則により裏付けられた。
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