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書記の読書記録#843『図書館概論:デジタル・ネットワーク社会に生きる市民の基礎知識 (講座・図書館情報学)』
山本 順一『図書館概論:デジタル・ネットワーク社会に生きる市民の基礎知識 (講座・図書館情報学)』のレビュー
レビュー
日本とアメリカの制度の比較を軸に,図書館に関するさまざまな問題に切り込んでいる。単に図書館とは何かを知りたい人には難しいかもしれないが,図書館の現状を知る上では参考になることが多い。
※英訳
The book tackles various issues related to libraries, centering on a comparison with the systems in Japan and the United States. It can be difficult for people who want to know what a library is, but it often helps to understand the current state of the library.
もくじ
はじめに
第1章 図書館と図書館情報学
1 ʻ図書館ʼとは何か
2 図書館情報学という学問領域
コラム 種子のライブラリー
第2章 図書館の種類
1 国立図書館
2 公共図書館
3 大学図書館と学校図書館
4 専門図書館とさまざまな図書館
コラム トゥーソン・ハイ・マグネット・スクール
第3章 図書館の歴史
1 図書館の起源
2 グーテンベルクと活版印刷術
3 日米の図書館の歴史
コラム カーネギー・ライブラリー
第4章 図書館サービス
1 サービスの分類
2 アメリカにおける図書館サービスの分類
3 アメリカの公共図書館における行事・講座
コラム 犬への読み聞かせ(Read to a Dog)
第5章 図書館情報資料コレクションと組織化
1 図書館資料とは何か
2 情報資料の組織化
3 情報資源としてのインターネットと電子書籍
コラム 図書館所蔵図書のラベルの相違
第6章 図書館情報資料の利用と著作権制度
1 様々な情報資料とサービス
2 図書館におけるデジタル複製
3 図書館資料の保存
4 図書館資料と著作権制度
5 書籍、電子ジャーナルの利用・提供
6 アメリカのTEACH Actと日本の著作権法35条
7 アメリカ連邦著作権法における図書館とフェアユース
コラム 大学図書館に設置されるスキャナーが持つ意味
第7章 「場としての図書館」と情報空間の拡張
1 期待される「場としての図書館」の役割
2 図書館とネットワーク
3 書誌ユーティリティ
コラム 本を売る図書館
第8章 変化する出版産業とその流通
1 日本の出版流通
2 アメリカの出版流通
3 公共図書館と書店の関係
コラム 電子ジャーナルの利用を萎縮させるものはなにか
第9章 デジタル環境における情報知識の公開と共有
1 オープンアクセスへの動き
2 善意の電子図書館の普及
コラム 政府情報を市民と共有する仕組み
第10章 図書館の社会的責任と知的自由の保障
1 図書館の社会的責任
2 ʻ知的自由ʼの成り立ち
3 ʻ知的自由ʼ概念の構造
4 情報へのアクセスの自由と未成年者の利用について
——動画(資料)の提供とSSN利用
コラム 白い紙が巻かれた本
第11章 逼迫する財政と図書館経営
1 変革的リーダーシップとは何か
2 寄付とアドボカシー
3 制度化された補助金制度
4 図書館のガバナンスとマネジメント
コラム 図書館への寄付
第12章 ライブラリアン像と図書館ではたらく人たち
1 ライブラリアン・司書・図書館員
2 期待されるʻエンベデッド・ライブラリアンʼ
3 ライブラリアンの倫理
コラム アメリカの図書館で働くということ
第13章 図書館情報学教育
1 アメリカの図書館情報学教育
2 ライブラリースクールの分布と現状
3 様々な教育プログラムと就職マーケット
コラム テキストブック販売店
第14章 図書館の実務と理論に関わる組織団体
1 国際的機関
2 図書館協会と学術団体
コラム ライブラリースクールの営業活動
第15章 図書館の将来展望
1 アメリカの公共図書館の未来
2 豊かな近未来を実現するために
コラム 変革を目指す図書館と現状適応の図書館の将来
資料 アメリカの図書館界の基本的な事実
索 引
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