「巫女みこナース・愛のテーマ」楽曲分析(書記が音楽やるだけ#44)
電波ソングの一つとして知られる曲について分析してみる。外れているように見えても,実際には結構素直だったりもする。
楽曲情報
作詞・作曲 - 柏木るざりん
歌 - Chu☆
『巫女みこナース』は2003年5月23日にPSYCHOより発売された18禁恋愛アドベンチャーゲームである。オープニングテーマである本曲は,1コーラス版がPSYCHOのサイトで公開されると,終盤の早口言葉的な部分のインパクトから,フラッシュ化したものが匿名掲示板「2ちゃんねる」のFLASH・動画板で公開され,2ちゃんねる全体で流行した。
全体構成
[F major]
イントロ→
Aメロ→Bメロ→サビ→
間奏→Bメロ→サビ→アウトロ(早口地帯)
イントロ
「1645」にdimが挟まった,シンプルな出だし。Ⅰ,Ⅳ,Ⅴを多用すると素直な感じがする。
Aメロ
初っ端から早口言葉,音程なんてあって無いようなもの,随分と自由だ。
Bメロ
サブドミナントで始まる。また,Ⅲ7と変形している点に注目。
溜めが多いがコードはシンプルである。
サビ
メロディは,あえて外しているところもあるが,基本的にはコードに従っている。
さてサビにコードについて,2小節ごとにゆっくり変化する。Ⅰ,Ⅳときて,次はⅡ(ドッペルドミナント),Ⅴと進んでいく。ここでⅠに戻るかと思いきや……
Ⅲ,Ⅵmと進む,またしてもノンダイアトニックコードの登場で,期待を超えるかのよう。
後で見直してみると,Ⅴ→Ⅰを調を変えて繰り返しているとも解釈できる。転調とまではいかないが,それに準じた意外性が演出されている。
最後は予定調和な締め。
なお,本曲最大の特徴は終盤の早口言葉であろう。コードはサビと同一であり,ここまでの段階で気付かないうちにコード進行の虜になっているのではなかろうか。
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