書記が数学やるだけ#833 射影平面・射影直線の表し方
射影平面の表し方は複数ある。
問題
連比にまつわる入試問題をつけておく。
説明
射影平面は,「通常の平面に無限遠点を加えたもの」「3次元空間内の原点を通る直線全体の成す集合」「連比の全体」などさまざまな表し方があり,扱う問題により使い分けていく。
同様にして射影直線も表すことができる。単純ではあるが,多様体論において重要な役割を持つ。
射影幾何の公理として様々なものが提唱されている,以下はホワイトヘッドの公理系である。
2次曲線は,射影幾何により統一的に考えることができる:
解答
連比にまつわる入試問題について,式変形と不等式評価により条件を示していく。
射影平面を連比全体として見たとき,斉次座標を用いてz≠0のときは通常平面上の点,z=0のときは無限遠点であることが言える。ここで,無限遠点は射影直線と同一視できる。
以下は三元一次不定方程式であり,係数により場合分けして示していく。2つの係数が0なら無限遠直線,1つの係数が0なら直線+無限遠点である。また,全ての係数0でないなら実射影直線と同型であることを,逆写像から示す。
最後に2次曲線について。まず,楕円は無限遠点を持たない。
一方で,双曲線には漸近線と交わる無限遠点が存在する。また,放物線は無限遠直線と交わる。
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