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書記の読書記録#980『挾み撃ち』
後藤 明生『挾み撃ち』のレビュー
レビュー
後藤 明生(ごとう めいせい、1932年4月4日- 1999年8月2日)は日本の小説家。本名は明正(あきまさ)。出版社勤務の傍ら作品を発表し、『人間の病気』で文壇に登場。「内向の世代」の一人に数えられ、実験的手法を用いた前衛小説を多く書いた。
無くしたものを探すというのは最も無駄な時間ともされている。思考が渦となり人を閉じ込め,外套から戦争へと連想ゲームが展開される。
過度な冗長さは小説であることを疑わせ,文そのものを読むことを強制させる。単につまらない文章であればすぐ目を背けるところを,本作の饒舌はやけに読者を惹きつける。無駄を省いてしまえばほとんど残るものはないだろうが,その無駄の醍醐味を味わうことのできる作品であった。
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