書記が物理やるだけ#355 強磁性・反強磁性の固体
強磁性・反強磁性の固体について,転移温度を中心に見ていく。
問題
説明
キュリーの法則によると,常磁性物質においては,その物質の磁化は(ほぼ)かけられた磁場に正比例する。
一方で,キュリー・ワイスの法則は強磁性や反強磁性のキュリー点以上の温度における磁化率の振る舞いを説明する。
強磁性については,イジング模型によりモデル化される:
反強磁性とは,隣り合うスピンがそれぞれ反対方向を向いて整列し全体として磁気モーメントを持たない物質であり,酸化マンガンや酸化ニッケルなどがある。
一方,フェリ磁性では結晶中に逆方向やほぼ逆方向の磁気モーメントを持つ2種類以上の磁性イオンが存在し,互いの磁気モーメントの大きさが異なるために全体として非零の磁化を持つ。
解答
強磁性の扱いについては以前に触れたので簡単に復習していく。
セルフコンシステント方程式において交点を求める過程で,キュリー温度が登場する。
キュリー温度より十分高い温度では,キュリー・ワイスの法則が成り立っている。
反強磁性について,相互作用の平均場近似から,転移温度であるネール温度を導出できる。
ネール温度より十分高い温度において,同様のキュリー・ワイスの法則が示せる。
本記事のもくじはこちら: