書記が物理やるだけ#343 格子振動,フォノン
格子振動について,統計力学から派生して考えていく。
問題
説明
格子振動について,波数ベクトルkが0の極限で固有振動数ωが0になるようなモードを音響モード,0にならないモードを光学モードという。音響モードでは単位胞内の原子は同じ方向に変位し,光学モードでは単位胞内の隣りあう原子が反対向きに運動する。
フォノンとは結晶中における格子振動の量子であり,質量のないボース粒子である。
格子振動のモデルには,アインシュタイン模型やデバイ模型がある:
解答
まず1種類の原子から構成される1次元配列について分散関係を求める。類似の問題は以前に扱ってきた:
グラフは以下の通り。
次に2種類の原子からなる1次元配列について,ここで分散関係は音響モードと光学モードの2種類が出てくる。
グラフは以下の通り,ここで2つのモード間で格子振動が存在しないバンドギャップが生じる,これがバンド理論の基本となる。
フォノンは格子振動を量子化したものであることから,光子と同様にしてハミルトニアンが求められる。
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