書記が数学やるだけ#794 ロジスティック写像
カオスの代表例であるロジスティック写像についてまとめておく。
問題
解答
ロジスティック写像は,イギリスの数理生物学者ロバート・メイの研究を発端にして,生物の個体数の変化を考える式として世に広まった。個体数増加モデルであるマルサスモデルに密度効果を反映させることでロジスティック写像を示すことができる。
固定点は2つ存在する(それぞれx*1,x*2とおく)。
a=0であればxは0から動かない。
0<a<1のときは,x*1は安定でx*2は不安定で,0に向かって単調減少しながら収束する。
a=1になるとx*2=0となりx*1と衝突して,aが1より大きくなると今度はx*1が不安定でx*2が安定となる。これをトランスクリティカル分岐という。1<=a<=2のときはx*2へと収束する。
2<a<3のときもx*2に収束するが,それまでは振動し続けている。
ここまで解は1つに収束していたが,a=3になると周期倍化分岐が起こり,以降1+√6までは2周期点に収束する。
さらに進めると,2周期点から4周期点,8周期点と変化していく。ここで2^k周期点となるaには上限があり,その上限からはファイゲンバウム定数が導出される。
それを超えるとカオスが出現し,a=4まで続く。なお,領域全体がカオスではなく,ところどころ安定な周期点となる窓が存在する。
やがてaが4を超えると発散する。
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