書記の読書記録#675『複素解析と流体力学』
今井 功『複素解析と流体力学』のレビュー
レビュー
前半は複素解析の基本事項のまとめ(解析接続まで),後半は流体力学への応用といった構成で,複素解析の教科書としての側面が強い。両分野をある程度学習した後に本書で関係性を補完する使い方が良さそう。
もくじ
第1部 正則関数
第1章 複素数
1 複素数
2 定義と記号
3 複素数の幾何学的表示
4 直線の方程式
5 円の方程式
6 平面上の質点の運動
7 複素数の積とベクトルの積
8 2次元のグリーン公式の複素形式
第2章 複素変数の関数
1 はじめに
2 複素関数の連続性
3 微分可能性
4 多変数の実関数の微分可能性
5 複素関数の微分可能性
6 コーシー-リーマンの関係式の複素形式
7 複素関数の線積分
第3章 正則関数
1 正則関数
2 正則関数の演算
3 コーシーの積分定理
4 正則関数の不定積分
5 コーシーの積分公式
6 導関数の積分表示
7 モレラの定理
第4章 数列・級数・関数列
1 数列
2 級数
3 関数列
4 関数級数
第5章 ベキ級数
1 幾何級数
2 ベキ級数
3 収束半径
第6章 初等関数
1 指数関数
2 三角関数
3 三角関数と双曲線関数
4 実数型関数、虚数型関数
5 逆関数による正則関数の定義
6 分数ベキZ1/n
7 対数関数
8 ベキ関数
第7章 テイラー展開とローラン展開
1 テイラー展開
2 ローラン展開
3 極、留数
4 定積分の計算
第8章 正則関数の性質
1 1価関数の特異性
2 多価関数の特異性
3 無限遠での特異性
4 定積分の計算/多価関数の応用
5 一致の定理
6 解析接続
7 平均値の定理
8 最大値の原理
9 リウヴィルの定理
10 偏角の原理
第2部 流体力学と複素解析
第1章 縮まない流体の2次元の渦無しの流れ
1 流体力学の基礎方程式
2 縮まない流体の2次元の渦無しの流れ
3 基本的な流れ
4 流れの重ね合せ
5 微分の流体力学的意味
6 2重わき出し、多重わき出し
7 角をまわる流れ
第2章 等角写像
1 等角写像
2 正則関数のグラフ/流れの場
3 流れの場の等角写像
4 特異点の写像
5 等角写像の発見的方法
6 簡単な流れ
7 1次変換/円々対応
8 ジューコフスキー変換
第3章 鏡像の原理
1 直線に関する鏡像
2 円に関する鏡像
3 鏡像の原理と解析接続
第4章 対数速度
1 対数速度
2 シュワルツ-クリストッフェルの変換
3 折れ曲り直線で境いされた半無限領域
4 多角形の内部
5 多角形の外部
6 ジェット
7 死水
第5章 ポアソン-シュワルツの積分公式
1 ディリクレ問題、ノイマン問題
2 ポアソン-シュワルツの積分公式
3 半平面で正則な関数
4 単位円内で正則な関数
5 単位円外で正則な関数
6 単位円内の調和関数
7 単位円外の調和関数
第6章 2次元の流れ
1 はじめに
2 縮まない粘性流体の流れ
3 2次元定常流のストークス近似
4 運動量の流れ
5 渦無しの流れに対する力とモーメントの公式
6 ストークス近似での力とモーメントの公式
7 縮む流体の渦無しの流れ
8 M2展開法
第3部 複素解析/個人的体験
参考文献
本記事のもくじはこちら:
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