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書記が数学やるだけ#807 グリーン関数の計算

今回からグリーン関数の計算について,段階を踏んで進めていく。


問題

まずは簡単な例から。


説明

グリーン関数とは,例えば「デルタ関数に関する微分方程式における逆演算子」と説明される。


デルタ関数に関する微分方程式の例として,瞬間的な衝撃に対する反応が挙げられる。以前取り上げたときはラプラス変換を用いて伝達関数として表現した:



解答

①の微分方程式は,速度f(x)で動く粒子に粘性による摩擦力が働く場合に,デルタ関数で表されるインパルス入力を与えた場合を記述したものである。ここではあえて定数変化法を用いて解いてみる。詳細は次回扱うが,最後の積分項のexp{-b(x-ξ)}がグリーン関数に相当する。


グリーン関数について簡単な例から計算してみる。L=d/dxについては,デルタ関数の積分が階段関数であることから容易にわかる。これを用いて,非同次方程式の解は積分で表すことができる。ここで証明は省くが,線形性よりグリーン関数の解には任意性がある。


そこで解を決めるには境界条件を与える必要がある。以下の例では両端を0とした場合のグリーン関数を定めている。


グリーン関数を使うまでもない簡単な微分方程式であるが,ここで解法に慣れておく。


この微分方程式は,例えば梁のたわみを考える際に出てくる。


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