書記の読書記録#903『物理と関数論 (物理数学シリーズ 2)』
今村 勤『物理と関数論 (物理数学シリーズ 2)』のレビュー
レビュー
複素関数,微分方程式の応用的な解法が本書のメインで,物理に重要なトピックがまとまっている。サブの教科書として使いやすいとは思う,流通が悪いのが難点。
もくじ
序
記号表
第1章 複素関数論
§1.1 複素数
§1.2 複素変数の関数と微分
§1.3 初等関数
a)多項式,有理関数,代数関数
b)冪級数
c)指数関数,三角関数,双曲線関数
d)対数関数,逆三角関数
e)一般の冪
f)Γ関数とΒ関数
§1.4 積分
a)径路積分
b)Cauchyの積分定理
c)Cauchyの積分公式
d)導関数の積分表示,Goursatの定理
e)Moreraの定理
f)関数列の極限と積分表示関数の正則性
§1.5 1価関数の正則性
a)正則関数の冪級数展開,Taylor展開
b)Laurent展開
c)孤立特異点
§1.6 多価関数とRiemann面
§1.7 解析接続
a)一意性
b)拡張の手段
§1.8 留数定理とその応用
a)留数定理
b)定積分の計算
c)級数の和
§1.9 解析的変換
第2章 冪級数展開による線形常微分方程式の解法
§2.1 微分方程式の正則点と正則特異点
§2.2 ‘よい性質’の冪級数解φ(1)
§2.3 冪級数解φ(1)と1次独立な解
第3章 積分変分による線形微分方程式の解法
§3.1 一般のLaplace変換とEuler変換
a)1階微分方程式への帰着
b)一般Laplace変換
c)Euler変換
§3.2 偏微分方程式の特解を利用する変換
§3.3 Fourier変換
第4章 径路積分の漸近評価
§4.1 漸近展開
§4.2 Watsonの補助定理
§4.3 Laplaceの方法 I ――積分路の端の寄与
§4.4 Laplaceの方法II――鞍部点法
§4.5 実変数積分の場合
a)Laplaceの方法
b)Riemann-Lebesgueの補助定理
c)定常位相の方法
第5章 解析関数としての2次元物理量
§5.1 複素速度ポテンシャル,複素循環
§5.2 解析関数と速度場,静電場,静磁場
§5.3 簡単な速度場の例
§5.4 等角写像
第6章 境界関数としての物理量
§6.1 因果律と解析性
a)因果律と伝達関数の解析性
b)複素誘電率,複素屈折率,散乱振幅
§6.2 部分波振幅の解析性
a)Jost関数,phase shift
b)束縛状態
c)波動関数,Jost関数の解析性
d)Jost関数の分散関係式
§6.3 複素角運動量
参考書
索引
本記事のもくじはこちら: