書記が数学やるだけ#698 スターリング数
二項係数の派生として,スターリング数について見ていく。
問題
スターリング数は入試問題でも題材にされたことがある。
説明
スターリング数は,イギリスの数学者ジェームズ・スターリングが1730年に彼の著書 Methodus Differentialis で導入した数で,第1種スターリング数はべき乗から階乗への変換に,第2種スターリング数は階乗からべき乗への変換に現れる。これらの数は以下のような組合せ数学において意味のある値を与える。
解答
原題は(3)までが以下に示すような場合分けの基本問題だが,(4)で第2種スターリング数の漸化式を証明するという難問が登場。
2023年名大理系で第1種スターリング数が出題,ほぼ初見問題だが方針は立てやすい。二項係数に関する類題の経験の有無が問われたか。
第2種スターリング数は「n人をk人に分ける方法の総数」であることを示す。
第1種スターリング数は「n人をk人に分けて円順列を作る方法の総数」であることを示す。
ついでに下降階乗冪による展開の式を示しておく。
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