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「謎多き幽霊屋敷」






【強制撤去】


12歳の時中学校の通学路に地盤沈下で
1階部分が沈んでしまった家があり
雨が降るとその家の中に池が出来て
倒壊の危険があり解体工事が始まった
ヒィー(゚ロ゚ノ)ノ

この家は俺が生まれる前から放置され
長年この場所にありもう何も感じず
ただの風景と化していて全く危険な
雰囲気が無かった

しかし最近になり雨が降ると家の中に
水が溜まる様になって木が腐り始めて
近所の住人から苦情が出た様でやっと
行政も重い腰を上げたようだ

最初この家の中から池の様に溜まった
水抜きから始まったが水が多いせいか
大きなトラックで1日何往復もしてて
何日も何日も続けてた

ある日の日曜日沈んだ家の前を通ると
スーツを着た役所らしき人がいたので
何でこんな倒壊寸前の家を長年放置し
取り壊さなかったのか聞いてみた

するとこの家の持ち主が解らず勝手に
取り壊す事も出来ず放置するしかなく
そんな中やっと近隣からの苦情が出て
法的に撤去できるようになったと言う

もし苦情が出てなかったら取り壊せず
このまま永久保存状態になってしまい
倒壊して事故が起きてからでないと
法的な強制撤去が出来ないと言ってた
アワワワワ(((゚д゚; )))ワワワワッ


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【怖い幽霊】


この話を聞き俺は「法律って実際に
事件事故が発生しないと国の権力で
強制撤去が行使できなのか」と解り
法律の融通の利かなさが理解できた

そしてふと「もしかしたらこの家の
持ち主は家の中で亡くなりそのまま
未だ誰からも発見されずこの工事で
死体が出てきそうだな」と思った

この頃の俺は単純だからオカルトな
話を本気で信じ怖がる意気地なしで
自分の家が近くにありもしかしたら
俺の部屋にその幽霊が出る気がする

そう考えたらもう夜が怖くなって
またトイレに行く時に走って足音で
家族を起こしてしまいまた叱られる
未来がはっきり見えてしまった
ヒィィッ!!∑(;Д;ノ)ノ

なのでこの日から俺は必ず寝る前に
トイレに行き夜中に目覚めない対策を
毎日忘れずしてお守りも枕の中に入れ
幽霊対策を徹底に行い布団に入った

でもそれでも怖いので更に幽霊対策を
強化するため自分の部屋に線香をたき
安心したいから母親に頼んで線香を
買って来て欲しいと言ってみる

すると母親は「線香を何に使うの?
また幽霊怖いの⁈」と俺の思考が全部
母親にバレてて恥ずかしかったけど
怖さが勝り素直に訳を話した
アワワヽ(´Д`;≡;´Д`)ノアワワ


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【他人事】


訳を聞いた母親は俺に「幽霊なんて
出ないから大丈夫よ!」と言われて
線香を買って来てくれないからもう
半べそで夜を過ごす事になった

ある日帰宅時に沈んだ家の前を通ると
また役所の人がいたから俺は思わず
「この家に死体があると噂あったけど
何も出ませんでした?」と聞いてみた

すると役所の人が「大丈夫そんなのは
出なかったよ」と言ってくれてたので
俺は心底ホッとしてしまいこの日の夜
嬉しくてぐっすり寝る事が出来る
(∩´∀`)∩ワーイ

その後3週間かかった水抜きが終わり
やっと解体工事が始まると思ったら
また何日も放置されて全然解体工事を
する気配が無かった

そしてまた役所の人を見つけて俺は
解体工事をなんでしないのか聞くと
「沈んでる家の解体は誰もした事なく
業者が見つからないんだ」と言ってた

よく見ると沈んだ家の左右には普通の
民家があるから重機を使って盛大に
解体工事が出来ないんだとスグに解り
「人の手作業になるんだ」と感じる

そんな事を考えたら作業する人達は
もの凄く大変だなと思ったがそれより
もう幽霊が出ない事が解ったので俺は
この時完全に他人事として捉えてた
( ´_ゝ`)フーン


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ジョー「鏡面反射のデジタルアートブログ」(鈴木穣)
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