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「運動会の王子様」





【対格差】


9歳のとき当時住んでた三郷団地の
立花小学校で運動会をする事になり
それまでの入場行進や競技の
練習をする羽目になった。

この時俺は
リレーの選手だったのだけど
とばりあつしくんと言う
圧倒的に足が速い子がいた。

リレーの練習の時
何度か一緒に走ったのだけど
全く歯が立たなかったので
何か作戦を練る事にする。

とばりくんの走りを分析すると
背の高さと体格の良さで
どう考えても身体的に全くかなわず
この差を埋める方法が全くない。
ヒィー(゚ロ゚ノ)ノ

そこでとばり君に
どうやったら早く走れるのか聞くと
「対格差あるから無理だよ」と言い
完全に手の打ちようがなかった。

とばり君の背の高さは
170㎝位ありそうな高さで
体格もガッチリしてて
とても9歳と思えない体つきだった

それに引き換え俺は
150㎝位しか背の高さが無くて
体格も普通位で特に特徴もなく
完全に遺伝子負けしてる。
(ノД`)・゜・。


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【作戦失敗】


ある日の学年合同練習の時
とばりくんの走りを見てたら
彼の走りの特徴の1つが見つかり
それを封じてみようと思った。

その特徴がとばり君の走りは
みんなでスタート時混雑するから
わざと少し遅れてスタートし
余裕で抜いて行くスタイル。

きっとこれは
女子にモテる為の演出だと感じ
それが出来る事がうらやましくて
何とかして妨害してやりたい。

そこで俺は
どんなコースで後方から抜くのか
よく観察すると毎回内側から
みんなを抜いて行ってた。
ヒィィッ!!∑(;Д;ノ)ノ

なので俺は
次一緒に走る練習が回ってきたら
内側を走り続けてコースを塞ぎ
とばり君に抜かせない様にした。

そして一緒に走る順番が来て
位置についてスタートすると
速攻で内側に入り込み
とばりくんのコースを塞いだ!

しかしそれに気が付いたとばり君は
外側に回って余裕をかましながら
一気に我々全員を追い抜いて行き
女子の視線を一気に集め凄く悔しい
( ゚皿゚)キーッ


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【モテモテ】


運動会の学年全体の演目で
フォークダンスの種目があり
全員好きな女子とペアーを組み
踊って良い事になった。

この時ふととばり君を見ると
10人位の女子達から声をかけられて
周りに女子たちが集まり花畑状態で
みんなで取り合いしてる。

そのモテっぷりに
男子全員がうらやましい目で見てて
そんな我々に向けてとばり君は
Vサインをしてきた!
( *´艸`)

それを見た男子が全員
ものすごく悔しがり始め先生に
「あいつ何とかして!」と
苦情を申し立てた!

すると先生は
とばり君に集まった女子たちを
解散させて男子と強制的に組ませ
やっと練習が始まる。

そしてとばり君を見ると
公平に組ませる為なのか
とばり君の相手を女性の先生が
担当する事になってた。

しかしこの時の俺も
誰とも組む事が出来ず余ってしまい
結局女の先生と組む羽目になり
全然楽しくなかった。
ショボ──(´・ω・`)──ン


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