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思い出「本当の甘酒 その1」

【学校祭】


6歳の時の春
小学校で学校祭を開催する事になった。

このお祭りは
学校側が教室や椅子や机を個人に貸し出し
友達同士や大勢で
何かの出し物をするというお祭りだった。

出し物は
物販や演劇や飲食の販売など
お金が稼げる物なら何でも良かった。
(*´金`*)むほほ♪

お金は
本物のお金を使わず
学校で用意した偽物のお金を使う。

これは
学校教育で経済を実感させる試みの
お祭りだった。

なので
出し物を用意するのは
全て生徒側がやらないとならない。

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【1人ボッチ】


学校祭をやる事は
1か月前に先生から
朝の会の時に伝えられた。

そして
その日の内にクラスの子達は
出し物なんて決めず
誰と一緒にやるか決めていた。

大体みんな2~5人位でまとまっていったが
中には
10人位で集まっているグループまである。
ヒャッホ─ヽ(゚∀゚)ノ⌒ノ(。A。)ヽ⌒ヽ(゚∀゚)ノ─ゥ♪

でも俺は
誰にも声をかけられず
誰からも声をかけられず
何だか1人余ってしまった。(´・ω・`)ショボーン

この時唯一の友達だった
三品孝之君まで声をかけてくれず
別の人達と組んでいた。
(ノД`)・゜・。

俺は
初日に誰とも組めず
下校する事になる。

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【お叱り】


翌日
早く誰かと組んで準備を始めないと
間に合わなくなるので焦っていた。
(。´・_・`。)ソワソワ

そこで俺は
勇気を振り絞って
唯一の友達の三品君に声をかけてみた。
オドオド(〃ノωノ)

そうしたら三品君は
「俺じゃなくてお前は
岸さんに声をかけないとダメだろ!」
何故かそう怒られてしまった。

岸さんとは
幼稚園の時からの幼馴染で
俺の数少ない友達の女の子だった。

このとき俺は
何で怒っているのか解らず
とりあえず岸さんの方を見てみたら
岸さんも誰とも組めず1人席に座っていた。

どうやら岸さんも俺と同じで
友達がいないボッチな人だと言うのが
初めて解った。
Σ( ̄□ ̄|||)

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【ボッチ仲間】


俺は
岸さんと組むと
絶対やりたい事が違うから
そうなると俺が折れるしかく
あまり気が向かなかった。

でも三品君に叱られたし
岸さんも1人だし
声をかけるしかなかった。
(*´Д`*)

そして岸さんに
「俺と一緒に出し物やって」
と頼んでみた。

そしたら岸さんの返事は
「待ってたわ」
「1人ボッチ君(´∀`*)ウフフッ」
そう言われてしまった!

このとき俺は
心の中で
「岸さんだって1人だったくせに~(=_=)」
そう叫んでいた。

そしてさっそく岸さんは
「甘酒作りを先生が許してくれたから
手伝ってね(^ー^* )♪」
と提案してきた。

俺は
お酒を作る事にビックリして
「甘酒なんてどうやって作るのΣ( ̄□ ̄|||)?」
と思わず聞いてしまった!

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【ミッション】


そしたら岸さんが
「甘酒の作り方を調べてきて!」
その様な命令が下ってしまう。
∑(゚ω゚; )なんと!

更に俺は
「何で甘酒のようなお酒を作るの?」
そう聞いてみた。

その訳は
「お正月に飲んだ手作りの甘酒が
凄く美味しかったの(´∀`*)ウフフッ」
そう答えていた。

仕方ないので俺は
家に帰り
甘酒の作り方を母親に教わる事にした。

そして俺は
母親に「甘酒の作り方を教えて!」
と頼んでみた。

そしたらその返答が意外で
「甘酒の作り方は
お父さんが得意だから聞いてみなさい」
そう言われた。おぉ♪(ノ)’∀`(ヾ)

その後
父親の帰りを待ち
さっそく父親に甘酒の作り方を聞いた。

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【父親の自信】


俺は
お酒を作るなんて凄く難しいと思っていた。

でも父親の返答は
超得意げに
こう言っていた。

「若い頃お金が無くて
お酒を飲みたかったが飲めず
仕方なく自分で甘酒を作っていたから
大丈夫!<(`^´)>」

そして次の日の日曜日
父親が材料を買ってきて
作り方を教えてくれる事になった。

俺は
さっそく次の日
岸さんにこの事を報告した。

そして日曜日岸さんを俺の家に呼び
作り方を一緒に教わる約束をする。

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【男の酒】


翌日の日曜日
父親が午前中に甘酒作りで必要な物を
全部買ってきてくれた。

買ってきた物は
「酒粕」
「きび砂糖」
たったこの2種類。

このとき俺は
「本当にこれで甘酒が作れるのか(・・?」
「また父親の適当か(。´・ω・)?」
そう感じた。

しかし父親は
「作れる!<(`^´)>」
そう断言して作り始めた。

作り方は
酒粕を丸ごと鍋にブッこみ
水を加えて
よくかき混ぜていく。

そして沸騰直前で火を止め
きび砂糖をたっぷり注いでいった。
ふふ( ´゚,_ゝ゚)/ドバドバドバ

更によくかき混ぜて
甘酒が完成した!
ワァ─o(´・∀・`)o─ィ♪

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【将来の酒豪】


早速その甘酒を岸さんと飲んでみたら
完全にお酒だったが甘くておいしい!

でも岸さんが
「美味しいけど何か思っていたのと違う」
そう言っていた。

しかし岸さんも
このお酒の甘さが良かったのか
( ´ー`)フゥー...とため息をつき
超ご機嫌になった。

我々はお酒でも味が美味しかったから
この甘酒を採用し出店する事にした!

何より俺は
岸さんが喜んでくれた事が
凄く嬉しくてたまらない。

それと同時にある事に気が付く
お酒を飲んで
こんなに美味しそうな顔をする岸さんは
「この女きっと酒豪になるな…」と。

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【お酒の甘酒】


そして俺と岸さんは
作り方をメモって
後日家庭科室が解放されてるから
そのとき作ってみる事にした。

この家庭科室の開放は
学校祭で飲食店を出店する人達用に
料理の練習をさせてくれる為
教室を開放するもの。

この時メモを取りながら俺は
「本当のお酒の甘酒になっちゃったけど
これ小学校で販売して大丈夫なのかな?」
と感じてしまう。

「でも父親が教えてくれた事だし
先生も甘酒を許可してくれたし
きっと甘酒ってこういう物なんだろうな」
そう思ってこれ以上何も考えない事にした。

そして我々は
物凄い美味しい甘酒が完成する事を確信して
甘酒の試作が出来る日が待ち遠しくなった。
((o(*´∀`*)o))わくわく♪

しかしこのとき我々は
子供のお祭りなのに
お酒の方の甘酒を教えた父親が
とんでもない馬鹿野郎と気づいていなかった。

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