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人間対コンピュータの将棋対決

松本博文「ルポ電王戦」を読みました。

私が選んだポイントは以下の3点。

①米長邦雄「残念ながら負けてしまいました」
→敗戦後、人間とコンピュータの関係を「駅伝やマラソンと車のような関係」と喩えた。人間は車と走る勝負をしても勝てない。しかし人間同士の陸上競技は無くならず、依然人々の感動を呼んでいる。

②佐藤慎一四段が投了した
→開発者の山本「この国の情報科学としては偉大な一歩だ」
この現実に戸惑いを隠せない関係者。大盤解説の聞き手である女流棋士の山口恵梨子は泣き出していた。

③予言は当たったか?
1996年のアンケートで、コンピュータがプロ棋士を負かす日は来るか、の質問に、
羽生7冠「2015年」、森内八段「2010年」と答えていた。実際には、2013年だった。
大山康晴はかつて「機械に将棋をやらせたら、人間が負けるに決まっている」と言っていた。
彼らは流石に、いいところを言っていた。

私の感想
上記①について
将棋の魅力はやはり人間同士の戦いのドラマということなのかもしれません。本書には藤井聡太さんは出てきませんが、コンピュータが将棋に勝って以降に、さらに将棋界は盛り上がっていますし。藤井聡太さんは将棋の研究にAIも使ってらっしゃり、棋士とコンピュータは共存の世の中になっていますしね。
今は亡き、米長邦雄さんが歴史に関わられているのも素敵です。

上記②について
将棋界にとってある意味、歴史的瞬間を迎えるまでが、本書では詳しく描かれていました。そこには開発者さんたちの人間ドラマもあり、面白かったです。

上記③について
棋士がコンピュータに負ける日なんて来ない、と言っていた棋士たちもいました。その対決には痺れるような展開がありました。結果、さすがに第一人者の羽生善治さんは、冷静に予測出来ていたのもカッコ良いですね。

ありがとうございました。

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