ホロライブEN人気の秘密を探る

昨年Vtuber業界に衝撃が走った。

ホロライブENのデビューだ。半年たらずで登録者数200万人のがうるぐらを筆頭にオリジナルソング再生数1200万及び登録者数100万人のカリオペ。まもなく登録者数100万人到達の配信モンスターアメリア。トリリンガルのキアラとイラストとおっとりボイスに定評のあるイナニス。この二人も既に登録者数70万を越えている。

登録者数でいくと日本の事務所及び日本人個人VtuberのTOP20に全員がランクインしている。もちろん登録者数と人気をイコールで考えるつもりもないが、それにしても異常な人気といえる。

なぜそこまで人気になったのかとそれに伴うホロライブの状況の変化を記載していく。

1:ホロライブのグローバル化

ホロライブは元々4期生の桐生ココが海外向けの配信を行い英語圏の人気が拡大していた。その基盤にタイミング良く発表できたというのが大きい。

元々オタク文化といえば日本というイメージが世界にはあるが、日本語は分からないのでアニメやVtuberなども主に字幕付きのアニメや切り抜きで補完していた。そこに母国語を操るVtuberが出てきたら、配信をリアルタイムで追う事が出来るし、心おきなくコメントをする事が出来る。こういった要因がありホロライブENはデビュー前からかなり注目されていた。

2:尖った個性派軍団

海外産Vtuberはかなりの数がおり、言葉が通じるだけでは他の多くの英語圏Vtuberに埋まってしまっていた事だろう。それにはもちろん先輩が作った1の基盤ありきだが、ホロライブENのメンバーはそれにしても個性が強かった。

がうるぐら

元100万弱の登録者を持つVtuberだったといわれているサメちゃんだが、個人的に現在の人気にそこまで大きな影響を与えたとは思えない。理由はいくつかあるが、主に前世からのキャラの違いだ。あまり前世を掘り下げるのも憚られるので具体的には記載しないが、現在の方がよりアイドルに近い。つまり前世とぐらのファン層が少し異なる様に感じるのだ。

次に幼女キャラというRP(そのキャラになりきる事)の難しいキャラに完全になりきれている点だ。声を聴いた事がある人なら分かると思うが、あの見た目にあの声が完璧にはまっている。幼女キャラといえば甲高いキンキン声というイメージが多いがそうでは無く、この娘は本当に幼女じゃないかと思う位再現度が高い。

元々Vtuberに幼女キャラは少ない上に上記の様なVtuberがしかも母国語で配信してくれる。

ちなみにロリコンは海外では少し問題視されている。実際ぐらも児童ポル〇扱いを受け一部から批難されている(主にファンの方がだが)ただし表立って言えないだけで幼女キャラ好きは世界にたくさんおり、それがかなりの割合でぐらを推すという事になった。

あとはやはり歌だろう。聞いた事が無い人は是非聞いてみて欲しい。音程の取り方や時折混ざるオリジナリティ、そして純粋にうまい。正直歌の配信というのは動画と違い編集やMIX出来ない為、実際はレベルが下がる事が多い。ただしぐらはそれでもVtuber全体の中でもトップクラスにうまいといわれている。配信で時折アカペラで歌を口ずさむ事があるが、それでも十分聞けてしまう位だ。

森カリオペ

ピンク髪のお姉さんキャラだがポンコツ気味であり、そうかと思えばFワードを言い始めたりするラッパーというぐらとはまた別の属性を詰め込んだVtuberだ。

ちなみにカリオペのラップはガチである。どうガチなのかというと、本職ラッパーに評価される位ガチである。そんなVtuberが今までいたかといえばもちろんいない。そしてそれは鮮烈なデビュー配信で如何なく発揮された。

緊張気味でたどたどしい言葉遣いのやさしそうなお姉さんがデビュー配信の中で歌の紹介になったとたんガラッと空気が変わった。良くカラオケ等で歌う時声が全く違う人がいるがそれに近い。

これは瞬く間に広がりデビューオリジナルソングが現在1300万回再生を越えている。

それと同時にデビューしたキアラとのカップリングも人気に拍車をかけた。これはキアラがカリオペの事を好きで付きまとうが、それを嫌そうにしながらも根っこでは大好き。という関係性が人気である。

ワトソンアメリア

ホロライブENの配信モンスター。そして頭がおかしい人間キャラ。

ホロライブENは別名ホロライブ神話とも言われ神話生物が由来のものになっている。その中で唯一の人間キャラなのに断トツで頭のオカシイ配信モンスターというのがファンの評価である。

なぜ人気なのかといえば、まず一つに声。ディズニーやカトゥーン等のアニメに出てきそうな、いい意味での甲高いボイス。配信中は下ネタ含め口が悪い。アニメに例えるならアメリアは洒落にならないいたずらを仕掛け、それにはまった人をげらげら笑う様なキャラだ。

ちなみにアメリアには壮絶なエピソードが数多く存在している。多すぎるのでここで紹介はしないが探せばあると思うので各自で確認して欲しい。

上記から分かる様に結構海外ノリが大きい為、海外にはアメリアのガチ恋が数多く存在する。

あとはぐらとのカップリング通称アメサメが大人気だ。自分のイメージではいたずらを提案する妹にもっとえぐいいたずらを提案し一緒にわるふざけする姉妹な印象を受ける。姉妹の様に応援するものもいれば百合的な応援の仕方をしているファンもおり、その様な創作物が英語ででまわっているらしい。

小鳥遊キアラ

JPとENをつなぐ架け橋。バイリンガルお化け。

キアラはドイツ語、日本語、英語をネイティブレベルで会話できる。聞き取れる、片言で話せる。では無いのだ。それぞれの言語の配信者と完全に会話ができ、スラングすらも使いこなすトリリンガルなのだ。そしてそれはコラボにてその実力を如何なく発揮している。ホロトークというコーナーでは毎回日本のホロライブメンバーを一人呼び、英語に翻訳しながら紹介するというものも行っている。

そして現在日本在住(今年の3月までらしい)という強みを生かしオリジナル曲の発表や日本のVtuberとのコラボ等を数多くこなしている

おそらくホロライブENの中で一番頭が良いのはこのキアラだろう。万が一Vtuberを辞めてしまった場合でも通訳で十分食べていけるのでは無いだろうか

一伊那尓栖

にのまえいなにすと読む。前世はイラストレーターと噂されるガチ絵描きのおっとりボイスのお姉さんキャラである。

こちらもデビュー配信で自分の描いた絵を発表した際にリスナーは衝撃を受けた。「ガチでプロ」その一言につきる。

コラボも数多くこなし、ホロライブENでは初めて事務所外の絵師Vtuberと絵のコラボを行った事もある。

そして絵もさることながら、そのささやく様なおっとりボイスでリスナーを魅了する。

カップリング相手はいないが、他メンバーが全員いなにすの事が大好きだろうというのが伝わる位には優しい性格をしている。

3:同期としての機能

個人Vtuberとしても生きていけるのでないかと思う位には個性の強いメンバーだが、ホロライブENは同期がとにかく仲がいい。定期的に5人全員のコラボも行うし、それぞれの配信で他メンバーの名前がポジティブな内容で良くでる。良くVtuber同士の不仲が噂され炎上する様を見てきているが、今の段階ではその心配は無いだろう。おそらくホロライブEN全員をチャンネル登録している。という人は多いのでは無いだろうか。

4:今後の伸びしろ

ここまで飛ぶ鳥を落とす勢いで人気を獲得しているホロライブENだが、さすがに上記の活動のみではどこかで人気は頭打ちになるだろう。ただし、ホロライブENにはそれぞれまだ行っていない(行えていない)伸びしろがある。

ぐら:現在日本のメンバーと1対1でコラボした事がまだない。コメントや切り抜き動画の数や再生数から日本人気も既にかなりあると思われるが、英語メインの配信の為、登録まではしていない人も多い為日本での知名度は海外程ではない。それが日本のメンツとコラボする様になったら、多くの人に新しく知ってもらうきっかけになるだろう。逆にいえばほぼソロゲーム実況のみでこの人気を確立してしまったのだ。恐ろしい

カリオペ:現在は主にゲーム配信とオリジナル曲の発表を行っている。日本在住という事もあり、キアラ同様コラボは多い方だが、言葉の壁は高く円滑なコミュニケーションが取れているかといえばそうではない。ただし優しい性格や声質から他メンバーからはかなり慕われている様に感じる。日本語を勉強し、もっとコミュニケーションが取れる様になったら、かなりのファンが増えると思われる。

アメリア:今でも十分人気だが、実は歌が下手で有名だ。ただただ下手だという訳では無く、とても親しみのあるかわいい声をしている。個人的な意見だが、アメリアとぐらでデュエットのオリジナルソングなんて出た日には、恐ろしい事になるのでないだろうか。ちなみにアメリアは日本語がキアラやカリオペ程上手では無いが積極的に日本のメンバーとコラボもしているコミュ強者だ。そんなアメリアが日本語でコミュニケーションが取れる様になった場合の人気がどうなるかが言うまでもなさそうだ。

キアラ:ホロライブENの中では伸びしろがそこまで大きくはなさそうだ。別にディスっている訳では無く、今が最善のムーブが出来ているという事だ。言語能力を生かしたコラボや日本在住を生かしたオリジナルソング発表等活動に余念がない。今後人気が無くなりそうになった際に一番フットワークが軽く動き改善できるのはキアラだろうなと感じる。

いなにす:正直現在他のホロライブENメンバーに比べると影が薄めだとは感じている。ただし、ホロライブENの中でイナニスが一番好きという人の熱量は他のENメンバーより高く感じる。そして他のメンバーには無い絵という最大の武器があるのだ。例えば今後自分が絵師になりVtuberが誕生するかも知れない。大きな絵の案件が来てソシャゲ等でイナニスの絵が多くの人の目に留まる機会が出来るかも知れない。一つの大きな武器があるという事はインターネット活動をする上ではやはり協力な武器なのだ。

そして全員3Dがまだでイベントやライブに参加できていないという点もあるもあり、これも改善されれば多くの人に認知されるだろう。

5:ホロライブ全体への影響

ホロライブ成功に伴いホロライブはかなりの影響を受けた。それはリスナーのグローバル化だ。桐生ココが作った英語圏の基盤にホロライブENがデビューした事により、リスナーの海外比率が上がったのだ。それに伴い日本のメンバーも海外よりの配信を行う事が多くなってきた。スーパーチャットも英語の質問も増えてきており、英語の勉強をしていると公言しているメンバーもいる。そして先述のホロライブENのメンバーは日本のメンバーが大好きだ。なぜならホロライブENはスカウトでは無くオーディションから選出されている。ENのメンバー曰く先輩にあこがれ、先輩と同じ舞台に立ちたいからオーディションを受けたのである。この関係性を利用し英語圏と日本のファンが臆すること無く応援できる関係が作れそうだと思っている。

6:最後に

以上がホロライブENの人気を自分なりに検証した内容だ。これにより、日本のホロライブメンバーの数字も伸びており、現在は相乗効果を生み出している。

一部ではあるが、海外と日本の文化の違いからファン同士が衝突したりする事もある様だ、しかし海外のファンも日本の文化を受け入れ、純粋に楽しんでいるファンの方が多い。かわいいものは海を渡ってもかわいいのだ、それはお互いのファンが証明している。

これを読んでくれた人の中で一人でもホロライブENが好きになってくれたらうれしい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?