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年にたった一度きりの

七夕に結ぶ逢瀬の星二つ喜びの雨は降りても晴れても
(TANABATA NI MUSUBU OUSE NO HOSHI HUTATSU YOROKOBI NO AME HA HURITEMO HARETEMO)

天空を横切る白帯に架かるのは、カササギたちが渡した
美しい橋。

それは織姫と彦星の、年にたった一度きりの逢瀬のために
結ばれる特別な橋だ。

その橋の上で出会う愛しい人の姿は、お互いの目にどんなに輝いて見えるのだろう。

うれしい気持ちと恋しい気持ちが相まって、お互いを
目にする瞬間は、星より虹よりきらきらのはずだ。

たとえどんな天気でも、七夕の夜には二人はきっと
会えると思う。

七夕に降る雨は会えない二人の涙や、逢瀬の後の涙に
たとえられ、催涙雨との情緒的な呼び名がある。

けれど、七夕の雨は本当はうれし涙の雨だと思う。

たくさんの会えなかった時間を埋められる喜びの雨。

星たちに見守られて、織姫と彦星は今夜、365日ぶりの
温かな夜を過ごすのだろう。

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すずき春
読んでくださって、どうもありがとうございます** きらめく50音の中から掬い上げた31文字が、 あなたに届くとうれしいです。 今日も明日も、あなたの毎日が素敵な日々でありますように。 あなたの人生と世界が、優しいものでありますように。 すずき春