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[連載] 経営の専門家が解説!サラリーマンだからこそ稼げる最強の副業術【最終回】 キーワードは「20分」…多忙な経営者の「アポと信頼」を獲得する方法

副業の実践…専門知識・能力だけでは足りない


専門家というと自分の得意分野である専門分野の能力さえ持っていれば活躍できるものと考えがちですが、実際は単に専門知識や能力だけでは不足です。

企業を支援する専門家こそコミュニケーション能力が必要なのです。

それは専門家の仕事の内容を知ればよく分かります。専門家は顧客である企業に出向いて自分で作業をするのではありません。企業のマネージャーや従業員に対して効率的な仕組みや優れたやり方を伝授してくるのです。その企業に効率的な仕組みや手法を定着させることが仕事です。

そのためには現場のマネージャーや従業員全員に提案した通りに行動してもらわなければなりません。彼らにやる気になってもらって実践してもらうことが必要不可欠です。そのためには専門知識だけでリードするのではなく、常に良好な関係を作り出していくコミュニケーション力が必要になってくるのです。

コミュニケーション能力を高めるためには関係書籍を読んだり、勉強会に参加するなど日頃からコミュニケーション能力を高める努力を重ねていくことが大切です。

また、今後直接企業との契約を取ろうという場合、初対面で社長と相対した際に、とかく売り込みを優先してしまいがちなのですが、ここでは社長のお話をじっくりと最後まで聴くことが非常に大切です。

社長である自分の話を最後までしっかりと聴いてくれそうもない専門家に仕事を依頼しようとは思わないからです。

したがって参考にしてほしいのが、次の「傾聴のスキル」です。ぜひ活用してみてください。

「傾聴」のスキル

《よい聴き手の条件》
・興味関心を示す
・聴く姿勢をつくりだす
・途中で口をはさまないで最後まで聴く
・答えを先に持って聴かない
・辛抱強くなる


さらに初対面の相手に対して無意識に好印象を持っていただけるコミュニケーションスキルがあります。これは「ペーシング」というスキルです。ぜひ使ってみてください。

◆ページング:コミュニケーションの入口

・相手と同じ姿勢をとる
・相手と同じスピードで話す
・相手と同じ言葉を使う

     ↓

自分と同じ敵ではない人は「安心感」を感じる

担当者や目の前の相手の話を聴いている際には、意識的に「うなずく」と好印象をもっていただくことができます。人は自分の話をしっかりと聴いてもらうと、自己肯定感を無意識に感じます。

すると安心することができ、さらに色々と話そうと思うのです。社長が話している時に、タイミングを見ながらゆっくりと深くうなずいてみてください。必ず大きな肯定効果がもたらされます。

◆「うなずき」の効果

相手がはっきりと認識することができるサイン

       ↓

「私はあなたの気持ちに共感できます」
「私はしっかりとあなたの話を聴いています」


カーネギー流営業術で効率的に「自分を売り込む」


次に今後、あなたが企業に対して自分の商品サービスを売り込む場合のセールストークをお伝えします。

例えば、専門家が企業の経営者クラスと直接お会いすることができる機会として最もポピュラーな「場」は経営者ビジネス交流会です。

サラリーマンが初めて多くの経営者ばかりが集まる交流会に出席した時、一体どうやって声をかければいいのか? なにを話せばいいのか? どうやって売り込めばいいのか? と悩むものです。

私も同じでした。でも心配する必要はありません。このような場においてこそ、カーネギーの「人に好かれる6原則」を活用するのです。

「人に好かれる6原則」は次の通りです。

「人に好かれる6原則」(D・カーネギー「人を動かす」より)

1.誠実な関心を寄せる
2.笑顔を忘れない
3.名前を覚える
4.聞き手に回る
5.関心のありかを見抜く
6.心からほめる


初対面で企業の経営者にお会いした際には、その方のお仕事やお話に誠実な関心を寄せ、笑顔で接し、その方のお名前をしっかりと覚えることが必要です。

この場合には経営者の方のお話を最後までよい聞き手に徹し、その中で経営者が今何に一番関心を寄せているのかを感じ、その方の考え方やお話の内容について心から肯定することが大切です。

そしていつでもこのようなよい聞き手のスタンスで様々な経営者と接していくことです。企業経営者は初対面で相手を見定めます。

自分の話に熱心に耳を傾けてくれる相手に対しては必ずよい印象を持ちます。この第1印象がずっと記憶されていくのです。やがていつかうれしい提案をしてくれるに違いないでしょう。

こうして重要なオピニオンリーダーと良好な関係をつないでいくのです。これがカーネギー流の人に好かれる営業方法なのです。


経営者への挨拶から最終的な契約までを実践


次に、さらに具体的に知りたいという方のために、私自身はいつもどうやっているのかを参考例としてお話したいと思います。

1.最初の声かけは「ご挨拶させていただいてもよろしいでしょうか?」と名刺を差し出す姿勢を見せながら声をかけるようにしています。

この時は緊張しつつも笑顔で声をかけることが大切です。誰でも暗い雰囲気の人間と話したいとは思いませんね。笑顔で覇気を感じさせるような少し高いくらいのトーンで声をかけてください。

2.自分の名刺を相手にお渡しする場合は、相手の目線に合うように多少腰をかがませて名刺をお渡しするようにしています。相手の背の高さに合わせて目線を一致させるのです。経営者に対して上から目線で名刺をお渡しするのは良くありません。

3.自分の名刺を相手にお渡しする時に重要なことがあります。私はいつも名刺に書いてある「キャッチフレーズ」をそのまま声に出して「○○○○の鈴木誠一郎と申します。どうぞよろしくお願いいたします」と言っています。

4.相手が名刺のキャッチコピーを見てから「へえ〜、すごいですね」とか「なるほど○○の専門家なのですね」などというような反応をいただければ、あなたの作成した名刺は社長に刺さった!と思ってよいでしょう。

逆に「……」と無反応の場合は、せっかく作ったキャッチコピーと名刺ではありますが、社長に刺さっていないということです。

そのような場合はもう一度キャッチコピーを考え直すことが必要だと思ってください。名刺は相手に刺さらないと意味がありません。印象に残らないからです。


相手が興味を示しても一気に売り込むのはNG


5.相手によっては名刺を見て色々と問いかけてくる場合があります。

そうなればしめたものです。こちらのサービスに興味を持ったという証だからです。このような時は一気に売り込みをしていくのではなく、相手の質問に簡潔に短く答えるようにします。

いくつかくる質問についても同様に対応します。すると、もっと聞きたいという表情をする場合があるものです。この時こそが絶好のタイミングとなります。次のようなセールストークをお伝えするのです。

6.「もし明日以降で20分ほどお時間があれば、ご説明に伺わせていただきますが、いかがでしょう?」とお伝えするのです。

この時、「20分」というのがミソです。なぜかといえば、経営者は分刻みで多忙な場合が多いものです。1週間のスケジュールはほぼ決まっています。そのような時に「1時間」と言ってしまうと「そんな時間はないな」と社長は思います。

でも「20分」であれば、「会議と会議の隙間時間で話を聞くことができるな」と思ってもらえるのです。私は今までにこの言い回しで何度も目的の企業にお伺いした経験があります。

7.相手から、「わかった。ではいつ来てもらえますか?」と言われたら、早速アポイントを取って会いにいくというわけです。相手の企業がちょうど自分が提供しているサービス内容とマッチした場合には契約締結につながります。

その日は契約できなかったとしても後日に、その日に相手のほうからいただいた要望等の解答を持って再度訪問するのです。このようにして社長の要望に応え、感じているような懸念を1つひとつ払拭していくことで最終的に契約を取ることができるのです。

8.この一連のプロセスを経営者ビジネス交流会に参加する度に実際に行っていくのです。経営者との面談の場数を踏めば踏むほど、気づくことがたくさん出てくるものです。それを次の経営者との質疑応答に盛り込んでいくことで契約獲得につながる確率が高くなっていくのです。

おおよそのセールストークのプロセスがイメージできましたでしょうか? あとは、あなたのやりやすいように話しやすく改良していってください。


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