会社員なら誰もが「専門家」…簡単に始められる副業アイデア
「幻冬舎ゴールドオンライン」に8月14日から拙著の記事掲載が連載されています(第5回まで)。今回は第1回です。
オンリーワン・コンサルタント養成アカデミー代表 鈴木 誠一郎
経営の専門家が語る!現役サラリーマンならではの最強副業術
1.「副業」で「専門家」…サラリーマンの新たな働き方
あなたは「副業」というと何を思い浮かべますか? 趣味のネットショップ、ネットオークション、ホームページ作成、アフィリエイト、リアルならば、各種代行、小荷物配送、ウエイター等々と色々ありますね。
最初に思い浮かべるのはネットでモノを売るということではないでしょうか? ところが、サラリーマンにとってモノ以外で売ることのできるものがあるのです。
それは「経験」と「知識」です。これまでサラリーマンとして数十年間、経験してきた現場体験、培ってきた専門知識、スキル、ノウハウです。
これらの「経験」や「知識」は頭の中にあって目に見えないために、なかなか気がつきにくいものです。でも「経験」や「知識」は大変貴重で素晴らしい「商品」になるのです。すなわち「副業」で「専門家」を始めるというやり方があるのです。
でもほとんどのサラリーマンの方は気がついていません。自分の頭の中にある「経験」や「知識」が「商品」に転換できるということがわからないのです。サラリーマンの「副業」には単純にモノを売るという方法だけではないのです。
そうです! 既に自分が持っている「経験」と「知識」を売るという方法があるのです! そして、それはサラリーマンをしながら「専門家」として働いていける方法なのです。
確かに自分自身で気づくというのは少し難しいところもあるかもしれません。なぜなら自分の「強み」や「売り」は、なかなか自分では分からないものだからです。
私はこれまでに数多くのサラリーマンの方々と面談し、ご経歴などをお聞きしてきました。そんな中で私が「それはあなたの〝強み〞ですね」と言うと、ご本人は「え?でもこれくらいは普通ですよ」と言われます。
自分の「強み」を認識するということは非常に重要なことにもかかわらず、実は気づきにくいということがあるのです。でも、一度「強み」を認識することができれば、ますますその「強み」を先鋭化させ、更に人と差別化していくことが可能になるのです。
サラリーマンをやっている中で、自分自身の「強み」を一段と尖らせていくことが今日のサラリーマンにとって必須条件であるといえます。あなたはご自分の「強み」を分かっていますか?
2.「副業」で「専門家」からいずれは起業という選択肢も
「副業」で「専門家」を行なうというのは、サラリーマンが自分の時間である休日や業務終了後の私的時間を使って専門家として活動するという意味です。
サラリーマンを辞めて独立するというのではありません。あくまでサラリーマンを続け本業を持ちながら「平日の夜」や「週末」だけ自分の得意分野に関する「専門家」を行っていくという活動をいいます。
「副業」で「専門家」を行なうというのは、いきなり専門家として起業独立するのではなく、まずは副業として企業の支援を行ない場数を踏むことで、専門家としての経験や知識を蓄積します。
その後タイミングをみてご自分が得意とする専門分野の専門家として起業独立しようという主旨なのです。そのプロセスとして「サラリーマンをしながら副業で専門家になろう」という考え方なのです。
サラリーマンがいわゆる副業を始めようとした時に、何を始めるかは色々ありますが、私はその中でもサラリーマンには専門家が最適であると信じています。
3.サラリーマンはすでに経験済み?「専門家」の仕事内容
確かに、これまでサラリーマンを続けてきている方から見れば、新たに身につけなければならない知識やノウハウがありますが、専門家の根幹になるのはサラリーマン時代に身につけた専門知識や技術、ノウハウです。
現在プロの専門家やコンサルタントとして活躍されている方々も、元はサラリーマンだったのです。そういう意味ではきちんとした計画を立てて、身につけるべきことを修得していけば、誰でも専門家になることができるのです。サラリーマンから見て専門家とは敷居が高くはないということです。
実際、現在会社で取引先に出向いて業務の指導やアドバイスをしているというサラリーマンの方は数多くおられると思いますが、仕事的にはまさにそれが専門家の仕事をしていることになるのです。
そういう意味では会社の管理職という立場の方であれば、多かれ少なかれ専門家としての視点で自部署の仕事の生産性を見ているのではないでしょうか。
「もっとこうすればいいのではないか?」「こういうノウハウを標準展開すべきだろう」「今後はこのように、販売チャネルにシフトしてくるのではないだろうか」と常に周囲や環境を観察しているのではないですか? これは専門家の視点です。
4.サラリーマンが「副業」で「専門家」を選ぶメリット
これまでずっとサラリーマンであった人からみると、専門家というのは誰でもなれるものではないのではないかと思われるかもしれません。
私自身、サラリーマンの時に専門家と聞くと敷居が高い職種というイメージをずっと抱いていました。でも、憧れの職種でもありました。
ところが、実際に自動車業界の専門家になって初めて気づいたことがあります。それは専門家といっても、ごく普通の平凡な人がほとんどであるということでした。それもそのはずです。専門家といっても元はサラリーマンやOLをしていた人たちばかりだからです。
確かに、これまでサラリーマンを続けてきている方からみれば、新たに身につけなければならない知識やノウハウがありますが、専門家のベースになるのはサラリーマン時代に身につけた専門知識や技術、ノウハウです。専門家には誰でもなれるのです。
仮に長年サラリーマンをしてきた人が一念発起して起業しようとした場合に、新しくどんな仕事をしていくことができると思われますか?
これまで数十年もホワイトカラーだった人間が副業だからといって、ウエイターとか、洗い場担当とか、ラーメン屋手伝いとか、体を動かす仕事を長期間続けられるものではありません。今までの事務仕事の疲れとは異次元の疲労感に驚くはずです。若い時ならばともかく、中年サラリーマンにとってはとてもきついはずです。
また、一時期副業方法としてブームになったネットショップも、今や収益がそれなりに出ているというサイトはほんの一握りです。すぐに参入しやすい分野はそれだけ競合も熾烈なのです。
集客のためにSEOにお金をかけても個人の副業レベルでは法人の投資額には勝てません。今から何らかのネットショップを立ち上げるのであれば、余程の切り口やビジネスモデルを考える必要があるでしょう。
通常、サラリーマンが起業しようと考えた場合、当然初期投資が必要になります。ところが専門家の場合、あなたの体1つで始めることができます。元手も資格もいらないのです。
専門家になるにあたって、あなたがすべきことは専門家として必要な知識を身につけることと専門家としての名刺を作ることぐらいです。
オフィスも必要ありません。わざわざ借りる必要はありません。自宅で十分です。携帯電話さえあればいいのです。専門家としての形を大事にしたいというのであれば、現在は様々なレンタルオフィスが利用できます。いずれも低料金なので気軽に利用することが可能です。
起業する際や定年後に大きな投資をすることはリスクです。でも専門家ならば元手は必要ないのです。専門家の仕事は担当した1件1件が全て血や肉になります。それがサラリーマンの仕事とは異なる部分だと思います。
それぞれの企業現場で汗をかきながらスタッフと一緒になって取り組んだ経験や試行錯誤は、確実に専門家自身のノウハウの蓄積になっていくのです。専門家にとって無駄なことは何1つもありません。
色々な企業に専門家として入っていくことで「引き出し」はますます増えていきます。
(第2回寄稿へ続く)