面白いことをやる人たち②
株式会社ユーグレナという会社をご存知でしょうか。(ユーグレナはミドリムシの学名だそうです。)
この会社の活動を知ってから授業で「ミドリムシが世界を救うかもしれないよ。」と話をしてきました。
株式会社ユーグレナさんはいろんな面白いことをやっているのですが、もともとはミドリムシのもつ特徴に興味を持った同社社長の出雲充さんが研究を始め、バングラデシュの子どもたちの貧栄養状態を改善するために栄養が豊富で尚且つ細胞壁が無く吸収されやすいミドリムシを食品に混ぜ込んでいったところから始まります。
他にもミドリムシの特性を生かして、二酸化炭素固定とバイオ燃料の生産を考えていました。
ミドリムシは面白い特徴を持っていて、
①葉緑体を持っているので光合成ができること
②植物がもつ細胞壁を持っていないこと
が特筆すべきものです。
季刊 生命誌さんの文章を引用させていただくと
ミドリムシ(ユーグレナ)は、葉緑体をもって炭酸同化作用を行い、植物のようにでんぷん類を栄養として蓄えることができる。しかし、植物にある細胞壁がなく、先端についている鞭毛で泳ぎながら、体をくねくねと変形させる。また、光のない環境では、外部から食物を取り込んで生きていける動物的な要素を備えている。このため、植物学者はミドリムシ植物門のミドリムシ藻類に、一方動物学者は原生動物門のミドリムシ類に分類するというありさまで、いまだに動物か植物かの決着がついていない。 季刊 生命誌10より
動物の特徴もあるし、植物の特徴もある。面白い生物なんですよね。
ユーグレナ(和名:ミドリムシ)は藻の一種。植物と動物、両方の性質を持つため野菜に含まれるビタミンやミネラルに加え、魚に含まれるDHA、EPAといった不飽和脂肪酸など59種類もの栄養素を持っています。ユーグレナの力で、すべての人の栄養が偏りなく、健やかに暮らせる世界を目指しています。 株式会社ユーグレナHPより
ミドリムシは光合成ができるので、二酸化炭素や水、光があれば栄養を作り出すことができます。(窒素やリンも必要になります。)
しかも栄養豊富で植物よりもそれらが吸収しやすい…
人間にとっての救世主のような力を持っています。
ミドリムシがもつ栄養素は59種類と言われていて、宇宙食にも取り入れられたりするぐらいの実力です。
NASAは1970年代から研究していたとか…
成長スピードも早く、条件さえ整えば一日で倍に増えるものもいるとか…
ほんとにすごい生物に目をつけましたよね。
株式会社ユーグレナさん、当初から構想していたミドリムシからバイオディーゼル燃料を作り出すことに成功し、先日FDA(フジドリームエアライン)さんの航空機がフライトしています。
今回のフライトは全燃料中の10%ほどがミドリムシ由来のバイオジェット燃料だったそうです。
コスト面の課題や生産面での課題をクリアして、これをもし100%バイオジェット燃料にできたら、脱炭素社会の実現に向けて大きな追い風になりそうです。
食用油とミドリムシから抽出したバイオ燃料を使ってジェット燃料を作る技術力、すごいです。
二酸化炭素の量を減らすためにミドリムシに一肌脱いで頂いて、栄養状態を改善するために一肌脱いでいただいて、ミドリムシ様様になる日も近いかと思います。
本当に頑張っていただきたい企業の一つです。
地球の環境を守るヒーローのような存在に是非ともなって頂きたいです。
応援しています。
読んでいただいてありがとうございました!
サポートしていただけたら、実験用具を買うか、実験用の薬品を買うかまだ決めていませんが、生徒さんたちと授業のために使いたいと考えています。