宝と宝の将来を考える行動
佐々木朗希投手すごいですね!
17イニング連続で一人のランナーも四死球も出すことなく、パーフェクトに抑えていました。
最後までみたいと思う人もいらっしゃったと思いますが、井口監督の采配はピッチャーの交代でした。
恐らくメジャーでも2試合連続の完全試合はないと思います。そんな大記録を目の前にして冷静な判断ができた井口監督を素直に尊敬します。
「チームが勝つことも大切ですが、朗希が1年間ローテーションを守ることを考えれば、チームが点をとっていても8回で降板させる予定だった」
球数と体への負担をしっかりと考えた末の決断。
まだ20歳と若く、体が完成していない状態で160km/hを超える球を投げることは体にかかる負担も相当あるのだと思います。
大切な宝の将来を考えて、目先の記録よりも、未来を選んだ。改めて素晴らしい決断だと思います。
ただ、井口監督よりも前に「宝」を大切にした采配をした監督がいました。
岩手県立大船渡高校野球部監督の國保陽平さんです。
2019年の第101回全国高校野球選手権岩手大会、プロ注目の高校生だった佐々木投手は当時から163キロを記録していました。
岩手県で働いていた時の同僚で野球部の監督をしていた友人からも「佐々木はすごい」ということを教えてもらっていました。(生で見れなかったのは残念です・・・)
チームは勝ち上がり、決勝戦に駒を進めました。しかし國保監督は佐々木投手の登板を見送りました。大船渡高校は花巻東に2-12で敗れ、あと一歩のところで35年ぶりの甲子園出場を逃しました。
試合後、國保監督は「故障を防ぐため。私が判断した」と佐々木投手が登板しなかった理由を説明しました。
この試合の後、大船渡高校には2日間で250件の苦情が殺到し、その起用法を巡っては野球関係者や評論家の間でも賛否両論が巻き起こり、メディアでも多数取り上げられることととなり、高校野球の投手の起用法が抱える問題に一石を投じることとなりました。
國保監督の英断が佐々木投手の健全な成長と故障回避に貢献しているのではないかなと考えています。
どれだけ目の前に大記録や偉業がある中でも、「本当に大切なものは何か?」冷静に総合的に判断できる力は本当に頭が下がる思いですし、教育に携わる人間として多くのことを学ばせて頂いた瞬間でした。今回の井口監督にも同じ感情を抱いています。
佐々木投手は球界の至宝だと思います。
佐々木投手はもう立派な大人ですが、その人の未来を考えて行動することはあらゆる場面で大切になってくることだと思います。
子育てに当てはめてみれば「子は宝」という言葉があるように子は皆等しく宝として育てられるべきだと考えます。間違っても自分の利益のために利用するなんてことがあってはなりませんし、未来を考えない指導をされるべきではないと考えます。
國保監督や井口監督が佐々木投手を大切に育てているのと同じように、多くの大人が子どもとその未来のために行動していける社会の実現が望まれます。
天才だけを優遇したり、大切にするのではなく、「素晴らしい可能性をもつ未来の大人たち」を等しく大切に育てていくことが私たち大人に求められているなと感じる日でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。