人工ダイヤモンド
両親とお墓参りの話をしていた時のことです。
父は次男なので、鈴木家の長男が入るお墓には入れないそうです。
骨を収めるスペースの関係でみんなは入れないとのことでした。
(個人的にはみんな一緒に入れればいいのにと思っていたのですが・・・)
目星はついているらしいですが、決して安くない値段なので慎重になりますよね。
お参りに来て欲しいけど、負担はかけたくないという考えもあるようで。
そこでちょっと前に話題になっていた遺骨から作る人工(合成)ダイヤモンドの話をしてみました。
本来、ダイヤモンドの生成には、高温かつ高圧な環境が必要で、天然のダイヤモンドは地殻140〜190kmより深い部分だけで、生成に要する期間は10億年〜33億年と言われています。それが地殻変動等で採掘できる部分に移動してきたものを人間が採掘している、という構図になります。
ダイヤモンドを構成している元素はC(炭素になります。)
遺骨に熱処理や物理処理を施し、不純物を取り除いて炭素からなる黒鉛にします。
それを元に高温・高圧処理を施してダイヤモンドを作っていきます。
詳しい技術はおそらく企業秘密レベルのものなのだと思います。
来上がった原石をカット、研磨をして仕上げていくそうです。
アルゴダンザという企業のHPによると、
体重60kg位の男性が火葬されると、1.5kgから2kgのご遺骨が遺されるそうです。
ご遺骨の成分だけを使って製作するダイヤモンドは最大で0.2gほど=1.0ct(カラット)だそうです。
人工(合成)ダイヤモンドを作るのに必要な遺骨の量は7g〜300g位と業者によって幅があるそうで、遺骨から抽出した炭素のみで純度の高いダイヤモンドを製作するしようとすればするほど、業者の方にお渡しする遺骨の量は多くなるそうです。300gだとすると焼却後の全遺骨の約1/4~1/6の量を使うことになりますね。
骨壷の中に遺骨を収めておくよりもかなり小さいスペースで保管はできそうです。
値段はカラットによるそうですが、大きくなればなるほどやはり値段も上がっていっています。
例えば、ご主人を亡くされた奥様がご主人の遺骨からダイヤモンドを作ってアクセサリーとして身につけておく、なんてこともできるそうです。
近くに保管しておけるという部分にメリットを感じる人もいるかもしれません。
お墓に納骨する以外の選択肢の一つとしていいなと感じました。
人体を主に構成する元素がC(炭素)、H(水素)、O(酸素)、N(窒素)、だとされていて(他にもリンとかカルシウム、カリウム、その他があります)、その中からC(炭素)だけを抽出してダイヤモンドを作る。人間の技術もすごいなと感じるのですが、これらの元素が地球にある「自然」を構成する元素と同じということも何か神秘的に感じます。
Def Techというアーティストの歌で「Golden Age」という曲があるのですが、その歌詞の一説にこのようなものがあります。
君がどれだけ大切な存在か
君自身でもそこまでわかってないから
水金地火木土天海冥
その全ての物質が君に備わっていて
目にはダイヤモンドやクリスタル
その肌はこの大地の土や水
That's why you are my twinkle twinkle little star
宇宙であり、世界でたった1つしかないジュエリー
いろんな面で共感できるなと感じています。
人は死ぬと新しい生命に生まれ変わるという考えである「輪廻転生」が真実だとしたら、ソフトである魂はずっと生き続けて、ハードである体は死ぬ。
次どんな種の生物として生まれるかはわかりません。(生物じゃないかもしれないしれません。)どんなハードで生まれてくるかわからないんですよね。
でも、どのような種の生物だとしても、その体をメインで構成する元素はやっぱりC(炭素)、H(水素)、O(酸素)、N(窒素)なんですよね。
水素は宇宙にもあると言われていますし、地球に存在するものの多くに含まれているC(炭素)、H(水素)、O(酸素)、N(窒素)が私たちの体を構成していると思うとなんだか不思議な感じがします。「繋がってる」と表現される方がいるのも納得です。
元素として同じものを集めても「生命」は作れないんですよね。
これも不思議で神秘的だなと思います。
現在、健康でいてくれている両親ですが、あとどれくらい両親と話せるのかなんて誰もわかりません。
結局お墓にするか、それ以外の方法にするか結論は出ませんでした。
話をしていく中で、こうして一緒に過ごせる時間をできる限り大切にしていきたいと改めて考えさせられる瞬間でした。
少しずつ親孝行をしていけるようにしないと。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
サポートしていただけたら、実験用具を買うか、実験用の薬品を買うかまだ決めていませんが、生徒さんたちと授業のために使いたいと考えています。