まだラストじゃない Aden Arabie.
ぼくは二十歳だった。それがひとの一生でいちばん美しい年齢だなどとだれにも言わせまい。
J'avais vingt ans. Ne laissez personne vous dire que c’est le plus bel âge de la vie d’une personne.
という有名な書き出しで始まるアデンアラビア。
20歳で終わるもんか、なんて、全人類をハッとさせてくれるくらいビビットな発言かもしれない。
私はこの出だしをたまたま偶然耳にしたら、耳に残って離れなくなってしまった。
何かインスピレーションを受けたようだ。
この出だしを教えてくれたその人は私よりも10歳以上実は年上だった。キラキラした瞳でこの一文をフランス語でそっと教えてくれた。何と若い頃からずっと、暗記しているのだという。
この台詞を聞くまでの私は、今までワンワン泣いていたのに、急に泣き止んでしまったのだ。
これは一体どういう事なのか?
ということで、漢字一文字で表すについては・・「会」を取り上げたい。
因みに、アデンとはコードネームの如きインパクトのあるネーミングだが、イエメン沖の昔、イギリス(フランス)の植民地だった地域のことを指している。(あまり明るくないニュースで恐縮だが、最近ではタンカー事故でニュースになっていた。※つくづく戦争は嫌だと思う。)
アラビアは、所謂アラビア地方の事を指している。
こちらのストーリーはざっくり言うならば、フランス本土のインテリ層がアデンを訪れて何らかの文化的感銘を受けた、というのが大まかな解釈だろう。
ダイバーシティ的な見解からは大戦時代の話でもあることからやや時代錯誤にも捉えられてしまうかもしれないが、若者がカルチャーショックを受けた記録という点では、時代を超え、気持ちとしては今も昔も変わりはないのではないだろうか?
私はアデンアラビアを読みたくなり、ネットで取り寄せてみた。
→アデンアラビア
と、晶文社さんから出版されている他はほぼ絶版に近い。
試しに中古で購入してみる。(たまたまクリックミスでポチっと押してしまった。大変申し訳ございません。)
いざ届いた「アデンアラビア」はだいぶ年代物のそれこそビブリオ古文堂に保管してありそうな紙焼けがした一冊だった。ハードカバーにも関わらず、値段は500円と記されている。
本の帯にはサルトルの親友、とある。
ふむふむ~なるほど~ふとフランス文学史に思いを馳せる。
今の段階では実は未だ封を開けていないのだが、読むのをとても楽しみにしている。
これは、何か私の未来を暗示しているのだろうか?と気にもなってくる。
因みに拙者鈴木乃の年齢って一体幾つなんだろう?と気になられた方も多いと思われ申し訳ないが・・。めげずに、また何れかのタイミングで「アデン・アラビア」の感想をnoteに纏めてみたいと思う。
Text by: Suzukino Ayako 鈴木乃彩子
編集:真央
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