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新しいカタチ It's a slow family apparently.

何回でもおかえりを言おう。今日からここが君の帰る家だから。

さて、世知辛いニュースも多い昨今に敢えて明るい出だしを書かせて頂いた。

今回のかきあつめのテーマは家?家族?夫婦?いえいえ #日記 である。

駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。今回のテーマは「#日記」です。

◆夏休みの絵日記


私は日記というものを書くのが嫌いだ。毎日書くなんてめんどうだからだ。思いついた日に思いついたことを書く備忘録なら多少書きたい気はする。

それでも人生のうちでトライはしている。恋日記なんてのも柄にも合わずやってみた事あったなあ。ひたすら相手の生態観察である。続かなかったけど。また相手からしたら結構迷惑だったろうにと思う。ウザいに違いない。

また次に思い出されるのが夏休みの絵日記。最近、母がしまい込んでいた昔の絵日記が出てきた。中身をパラパラめくる。かなりやる気がない。すかすかである。一応作文好きで担任の先生にも褒められた事のある私の筈なのだが。単調な毎日を記録する意義を見合い出せなかったのか。

そこへ、突然カラーページが出現する。


お父さんが帰ってきた。

とある。我が家は決して離婚家庭ではない。何故?謎は募る。

振り返るに私の父は仕事で多忙だったせいか、留守がちだったからだろうと推測される。まるで出奔した父親が帰ってきたかのような扱いに我ながら笑ってしまう。

記憶は薄くて思い出せないが、普段家にいない父への抗議と労いの交錯した気持ちを精一杯表現したらしい。

子供なりのユーモアを交えた家族サービスだったのだろうか?

◆家族の繋がりって?


こんなに家族内を面白おかしく過ごしてきた私なのに、おひとり様という生き方を楽しみ、家族形成に趣をおいてこなかった。

私は結婚していないし、パートナーとの間に子供もいない為、父や母の側の気持ちになる事は殆どない。
親は子に無償の愛を注ぐと言われる。言葉では理解しているつもりでも根本ではピンと来ないことがある。
私はそういう自分に侘しさや淋しさも感じるときが多々ある。
また逆に今から心配するの?と一笑されてしまうこともあるが、老後は心細い。

家族って何だろう?

血の繋がりや配偶者とはそれほど大事なのだろうか?

スローファミリーという血の繋がりのない他者と家族みたいなコミュニティを築いて生きていくという暮らし方がある。
   

安直に聞こえるかもしれないが、このコミュニティに私は興味津々である。
血の繋がりだけにこだわり過ぎなくてもよいのではないか?
(元来、養子縁組制度は昔の方が盛んだったと思う。)
これから社会の立場において、スローファミリーはどういう役割を担っていくのかとても気になっている。

例えば、介護や育児を互いに助け合うことが可能という利点がある。

上野千鶴子さんも仰っていたが、意外にも、介護と育児を共生させるのは互いに触発し合って良いそうだ。

確かに私もそう思う。老人は若い生命の恩恵を受け、前向きになれるし、若者は老人の知恵を拝借できるというわけだ。

たまたまこちらの本を手に取った。スローファミリーの話を書いている。

奥さんを失って落ち込んでしまった老人男性が、同居人を募って、その後の人生をてんやわんやで乗り切るという
物語だ。

明るい語り口で、フランスの田舎町を舞台にしたこちらの作品は心をとっても和ませてくれる。

まるで、登場人物を通してフランスの風景や食事の場面がそのまま浮かびあがってくるよう。

作者は、有名俳優エディ・コンスタンティーヌのお嬢さんで脚本家であるそうだ。(エディコンスタンティーヌは日本人に分かりやすく説明するとゴダール作品にも出演している。あーとなるかもしれない。)

◆ おかえりー❤︎


何度でもおかえりを言おう。

人は生まれ、いつかは死んでいくもの。そういった時の流れが自然で美しいと感じられる気持ちは、生きていく上で忘れてはならず、私たちの心を穏やかにさせてくれるだろう。

Text by: SuzukinoAyako
編集:アカ ヨシロウ →

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