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真のジャパニーズアイドル Facing To Japanese Souls.

空前のアイドルブームが到来していた、私が子供の頃。お姫様のような煌びやかな衣装を着て歌い踊るかわい子ちゃん達。そして大抵ぶりっ子である点が当時のブームを物語っている。一つの格式的な様式美・・がそこ存在していたのだろう。(ヤンキー芸風アイドル一派もいらっしゃるが書くと長くなるので割愛させて頂きますね)

今回の日刊かき集めのテーマは「初めて買ったCD」。私が初めて買ったCDは現在のメガヒットドラマ半沢直樹にも出演されている南野陽子さんの「吐息でネット」だった。

◆「ナンノ」という未知なる楽園のドア 

娘が初めて買ってきたCD。(当時はドーナツ盤というレコードだったかも)その歌を聴いて両親は仰け反った。「ナンノって歌上手いんか?ちょっとおバカアイドルなんじゃあ?吐息で・・ネット?納豆みたいな曲名じゃあないかい?」両親は娘の好みに否定的だった。とても手厳しい。「ナンノってなんか気に食わない!」ぶりっ子商法は当時かなり斬新であり、またちょっとおバカにも見え、音痴歌手に聴こえてしまったのかもしれない。今まで聴いた事も観た事も無い!未知なるアイドルだったと言える。

父は「色っぽく無いんだよなあ」と力説し「もう一枚買ってあげるよ」と提案を出して来た。しかしうちの父の分際で何とナンノに失礼なのだろうか?

反抗期と皆無の娘。「うーん・・色っぽい・・誰がいいだろう?」中山美穂さんを私は選んだ。父はご満悦だった。無事気に入ったらしい。「歌は下手だが色っぽいし美人だ」男の勝手な妄想が入ってる気はするが、父としては自分の女性の好みというものを貫きたかったのだろう。また、おじさんとしていま若者に人気の日本のアイドルを知りたい好奇心に駆られたに違いない。しかしやはり父の分際でミポリンの歌の上手い下手に注文をつけるのは如何なものかと・・? (※当時は後世にリバイバルブームが訪れるあの荻野目洋子さん@ダンシングヒーローが、歌唱力ぶっちぎりナンバーワンだったと言うのがまあ一般常識だったからかもしれませんが・・)

CD一枚を娘に投資してから父は、私とテレビや映画、歌番組を観ると互いに寸評?論評?大会をするようになった。因みに父の職業は(一応れっきとした)新聞記者である。プロの記者を前にして何と生意気な娘でありクソガキだった事か・・。(多少、新聞表面のテレビラテ欄などにも関係しているという事で、父としては実は仕事の一貫なんである、こんなんでも。)

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◆ナンノというアイドルビジネス

しかし一体何故ナンノは、両親に気に入って貰えなかったのか?ナンノって実はオリコン1位が多い人気歌手のうちの1人である。ペタペタした声で歌う独特の唱法は清楚感たっぷりで当時の日本人女性が目指したいイメージであった気がしてならない。ヒラヒラした白い衣装を着ている優しい隣のお姉さん的印象が魅力だったのか?そしてまた歌詞がとんでもなくロマンチック。歌詞を辿ると泣けてくる・・「楽園のドア」「ハイカラさんが通る」「話しかけたかった」。ぶりっ子の彼女が歌う健気な世界観は何とドラマティックでり健気でありピュアであったのだろうか。その後一転、女子高生刑事役「スケバン刑事」に出演しヒットを飛ばす。一度御結婚されてから引退状態ではあったが、最近またTBSの高視聴率人気連ドラに復活された姿は記憶に新しい。デビュー当時とは違い、今はまた別の大人の女性の魅力を醸し出していらっしゃる。遂にナンノも悪女役が似合うと言われる様になったのだ。

◆アイドルブームからカラオケブームへの余波 

海外歌手に比べると、決して難しく無く誰にでも歌える日本のアイドルソング。そこに端を発したのか?カラオケブームが日本に到来。そして何と世界で流行するのだから驚く。私も当然ながらカラオケ大好きオバハンである。カラオケ・・行くともう止まらない。ずっと歌い続けてしまう私鈴きの。最初はちょっと高音が出にくいが何時間か経つともう悦に入りソプラノボイスを駆使しまくる。カラオケが好き過ぎて、学生時代「記録に挑戦!24時間(ぶっ続け)カラオケで歌う会」を敢行。メンバーは4人。私達は無事見事に歌い切った。そして驚くべき事に24時間経っても私の声は枯れなかったのである。これにはビックリした。憧れのハスキーボイスに変身するのかと思ったらならなかった・・残念。そういえば同席していた女性全員、声が枯れたりする等喉の不調は起こさなかった。順繰りに歌うと1人120曲位歌った計算にはなるのだが・・?日本人の喉って強いのか?

◆ジャパニーズソウル 強い日本人の声帯

先日、バークリー音楽大学卒の先生が主催をされていらっしゃる「歌が上手くなりたい&音痴克服レッスン(お試し)」に行く機会が有った。そこで気付いたのだが日本人の声帯というのはとても強いそうなんである。演歌歌手の方で声を潰してしまう・・なんて聴いた事がない。海外ミュージシャンだとハスキーボイスが魅力的な方は多いが、喉がネックになり声が出なくて休演というパターンも多い。これにはアルファベットの発音も関係有るらしい。アルファベットは人の声をハスキーに変え易いのだとか。どうやったらハスキーボイスになれるのか?と言う質問に「酒焼けすると喉って枯れるよ」とジャズボーカリストの方から伺った事もあった。んなの大変なんじゃあ?日本人には難しいのかなあ。

分かり易く海外ミュージックソングの魅力を分析してみる・・情緒がある、単調に聴こえない、1番と2番の歌い方が微妙に違う、飽きない、中だるみしない・・そのあたりが所謂海外勢の魅力である。その海外情緒「唱(商)法」と比較した際に日本人の歌はどうも単調に聴こえがち。しかし歌の先生からすると、決して日本人の歌が下手とかいう訳ではなくてそういう「唱(商)法文化」なんだそうである。そっかあ。日本人って専売特許並みに面白い事を考える民族なんだなあと考えると、頭が下がる。御先祖様エラい!これはこれでチャームポイントなんである。

◆2020年のリアルアイドル

アイドルブームは現在も健在だ。秋元康さんなんて30年以上そのTOPに君臨し続けている。最近のアイドルはイジメとか社会派ネタをも歌う。恋愛ネタオンリーではないらしい。昔よりも現代の子供の方がリアリストだし、賢くなっているのかもしれない。過去に思いを馳せてみる。ヒラヒラ衣装好きで、ついつい買い物に走る私は一体幾ら浪費をしたのか?気付けば「堅実」という2語から遠ざかる傾向の強いおバカなワタクシ鈴きの・・がどうにも取り残されるかの様に存在する。猛省の極みである。Umm…(*≧∀≦*)

TextBy:  SuzukinoAyako  鈴きの彩子

編集:べみん →

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