【投資】投資家を損させる原因とは?
株の売買が多い投資家ほど、市場の平均よりも低いリターンしか得られないというのが研究でもわかっています。
どういうことでしょうか?
カリフォルニア大学のブラッド・M・バーバー 、テラス・オディーンが行った調査について説明します。
調査内容
実験者は1991年~1996年の間、66,465世帯の取引状況とその世帯のリターンを調べました。
まず、平均的な世帯と取引回数の多い世帯とを分け、それぞれのリターンを調査しました。
すると、平均的な世帯のリターンは16.4%、最も取引回数の多い世帯のリターンは11.4%でした。
その期間の市場平均リターンは17.9%であっため、取引の多い世帯は市場に対して-6.5%も負け越していることになります。
-6.5%と聞いてなんだか大したことのないように思えますが、これはかなりの差です。
例えば、S&P500の平均リターンが約10%ですから、もし同様の投資方法を行ったとしたら半分以上も利益を引き下げることになるのです。(これはあくまで例です)
なぜこのような結果になったのでしょうか?
原因としては取引回数が多さが挙げられます。
取引を行う際は手数料がかかるため、取引回数が多いほどその費用も増えていきます。
結果として手数料が全体のリターンを下げてしまい、市場平均よりも低いパフォーマンスになったと考えられます。
ちなみに、取引の多い世帯は全体の20%にあたり、最も頻繁に取引をしている人のポートフォリオ回転率は250%以上でした。
ほかにも男性の方がポートフォリオ回転率が高いため、男性の方は気を付けたほうがいいかもしれませんね。
まとめ
以上の調査から、取引の多い投資家は市場平均よりもパフォーマンスがかなり悪くなるということがわかったと思います。
そうなるとデイトレーダーのような取引を何度も繰り返すような人は、一般的な中長期投資家と比べてパフォーマンスが低いのかどうかについて疑問が湧いてきますね。
少なくとも、手数料分は稼がなくてはいけないので、楽はできなさそうです。
逆にパフォーマンスが最も高い投資法についても興味が湧いてきます。
取引回数が多いほど利益が下がるので、取引回数が最低限の投資法であるBuy&Hold(気絶投資法)が優れていることになるのでしょうか。
この調査からはいろいろな考察ができますね。
もし、この情報がみなさんの投資法に少しでも役立てば幸いです。
参考文献
・Brad M. Barber and Terrance Odean, 2000, "Trading Is Hazardous to Your Wealth: The Common Stock Investment Performance of Individual Investors", The Journal of Finance
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