生産性をあげる驚くほど簡単な秘訣とは?
それは生産性の高い人の隣に座ることです。
ハーバード大学が約2000人のオフィスワーカーを調べて分かったことです。
研究者は人間の生産性についてこう結論付けました。
「平均して私たちの生産性の10%以上は隣の席に座る人間の質で決まる」
隣席に生産性の高い人がいるだけで、10%以上も生産性が上がるっていうんですから驚きです。
こうした結果が生まれてくるのは、人間が周囲の影響を受けやすいことが関わってきます。
12,067人を32年間観察した研究では、私たちの体重の増加は交際関係の人々の肥満に大きく影響を受けていることがわかっています。友人が肥満になった場合、本人も肥満になる確率は57%上昇します。(57%も!)
アルコール依存症の人が禁酒できる可能性も、交際関係のなかに酒好きがいるかどうかが大きく関わってきます。
水泳でも勝つことが重要でない場面でも、隣のレーンで泳ぐ人の影響が確認されたり、スパーマーケットのレジ打ちでも同様の現象が起きています。
生産性という点で見ても同じです。
2012年、ハーバード大学の論文を見てみましょう。
まず初めに、複数の投資アナリストのデータを調べ、トップクラスの成績をたたき出していた1052人を選出しました。
その投資アナリストの中から、別の企業に移った人や自分で会社を立ち上げた人を対象に、彼らが違うメンバーと仕事を始めた後も同程度の成績を維持できているかどうかを調べたのです。
すると、面白い事実が分かったのです。
以前と同じパフォーマンスをあげていた者は約50%だけで、
残りの50%は5年経っても元のパフォーマンスには戻らなかったというのです。
もちろん、アナリストの給料、個人の体調といった要素を調整されてあります。
どうやら、人の生産性は個人の能力だけでは説明がつかないようです。
間違いなく周囲からの影響を受けているということでしょう。
人の生産性さえも周りの影響を受けずにはいられないのです。
まとめ
体重、競技のパフォーマンス、仕事の生産性、自分が管理していると思っているあらゆることは、想像以上に周りからの影響を受けています。
周りから影響を受けやすいことを知っていれば、それを有効に使うことが可能になります。
もしダイエットをしたいのであれば、すでにダイエットに成功している人と付き合うのが良いですし、生産性をあげたければパフォーマンスの高い人の隣に座ればいいのです。
もちろん、この周りからの影響の受けやすさはメリットデメリットがありますので、時と場合によって使い分けるのが大切です。
以上でこの記事は終わりです。
参考文献
・The Risky Business of Hiring Stars アナリストの研究
・生産性を高めたければ座席の配置を見直しなさい
・The Spread of Obesity in a Large Social Network over 32 Years
交際関係と肥満
・Social networks as mediators of the effect of Alcoholics Anonymous 禁酒
・Peer Effects among Swimmers 水泳の研究
・Peers at Work Mas and Moretti (2009) レジ打ち
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