Google Analyticsの滞在時間・直帰率はそれだけを見ても全く無意味な指標
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たまに見かけるSEO論で
・滞在時間が大切!滞在時間が長ければSEOに有利だ!
・直帰率が低い方がSEOに有利だ!
という意見があります。
これについては相関関係としては滞在時間が長いこと、直帰率が低い方がSEO上、有利になっていることが多いことは、SEOの専門家も言っています。
あくまでも相関関係としてであって、因果関係についてはGoogleの検索の仕組みはブラックボックスのため、わかりません。
また、例外も数多くあり、必ずしも滞在時間が長いこと、直帰率が低いことがSEO上、必ずしも必要という根拠はありません。
でも、SEO論で滞在時間や直帰率がSEOに有利な論証として、Google Analyticsの下記の部分
「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」の画面を見せて解説していることが多くなっています。
具体的には下記のものです。
上記の図の「平均ページ滞在時間」や「直帰率」を見て、SEO上有利になっています!と説明しています。
ただし、これ、アクセス解析を体系的に学んできた人から見ると
「は?何言ってるの?」
で終わってしまうことなんです。
なぜ、これが無意味なのか説明をしていきます。
そして、むしろ見るべきところはGoogle Analyticsの上記画面の「平均ページ滞在時間」や「直帰率」ではなく、全く別のところであることも説明します。
アクセス解析をきちんと体系的に学んだ人には全くもって読む価値の無いことなのですが、ブロガーでアクセス解析は体系的に学んでいない、という方には参考になると思います。
平均ページ滞在時間は直帰したもの、離脱したものは含んでいない
アクセス解析を体系的に学んでいない人は、この平均ページ滞在時間を勘違いしていることが多々あります。
というのも、この平均ページ滞在時間は、直帰したもの、離脱したものは含んでないからです。
仮に上記のように検索結果(検索結果でなくても良いですが)からあなたのブログに来た人が、ページA・ページB・ページCと見て、リンク先の別のサイトに移動したとします。
この時、Google Analyticsに記録されたページA・ページB・ページCのページ滞在時間は下記の通りです。
・ページA:180秒(3分)
・ページB:240秒(4分)
・ページC:0秒(0分)
ページCは300秒も見られているのにGoogle Analyticsに記録される滞在時間は0秒です。
Google Analyticsはあなたのブログに来た時から時間を記録を開始して、次のページに移動した時の差分で時間を計測しています。
しかし他のサイトに移動してしまうと差分が計測出来ないため、滞在時間が計測出来なくなるので、滞在時間を0秒としています。
上記の一番下の記事の平均ページ滞在時間は5分46秒です。直帰率は95.52%、セッション数は437です。
つまり437セッションのうち、わずか20セッションの平均ページ滞在時間が5分46秒なだけで、他の417セッションはどれだけ見てくれていたかわかりません。
セッションは見てくれた人の数ではありませんが、比較的見てくれた人の数に近い場合がブログにおいてはよくあるので、語弊のある言い方ですが、このページを見てくれた人の5%しか滞在時間が計測出来ていません。
*厳密には離脱も含めて考えるともう少し異なりますが、ここではわかりやすく説明しているため誤差に関してはご了承ください。
例えば、これが1万セッションある記事で、直帰率が90%であれば1000人の平均値になるので、ある程度信頼出来る数値にもなってきます。
仮にある記事を300人が見てくれて、平均ページ滞在時間が100秒で、直帰率が90%だった場合、30人しか他の記事を見てくれていませんが実際には下記の可能性だってある訳です。
これ、実際にありえる数字です。たった1人が長く見たために平均ページ滞在時間が引き伸ばされてしまう可能性もある訳です。
30人なら十分にありえますが、これが100人1000人になれば当然、こういう可能性がかなり低くなってくることは考えられますよね。
なのでPVやセッション数がそもそも少ない記事の平均ページ滞在時間は、ほとんど意味を成しません。
例えば下記の記事
https://suzukidesu.com/tokyo-tower/
この記事のある月のPV数は671PVで、平均ページ滞在時間は4分33秒(273秒)でした。直帰率は約87%です。
で、この記事を見た人だけを抽出して、実際にGoogle Analyticsでセッション時間を見てみると下記の通りに。
あくまでも上記記事を含むセッションなので、この記事を見ている時間ではありませんが、4分未満の人が実際には65%ほどで4分33秒というのは、たまたま長く見てくれていた人が2割ほどいたために平均値が上昇した結果だということが想像出来ます。
つまり700PV程度だと平均ページ滞在時間の誤差はかなり出てきます。
これが1000PV以上になってくると誤差はかなり減ってきますし、5000PV以上になってくると誤差はほぼ無くなります。
「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」から、わかること
「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」からわかることって、どの記事・コンテンツがよく見られているかだけなんです。
この画面だけでSEOのことなんて語れません。まして1つのブログを運営しているくらいなら。
検索トラフィックだけで見てみる
Google Analyticsの画面の上部に上記の図の箇所がありますよね。
この図の「+セグメントを追加」をクリックすると標準でいくつかのセグメントが用意されています。
セグメントとは条件を指定してユーザーやセッションを絞り込むことが出来る機能です。
例えば検索から来た人のみとか、絞り込むことが出来ます。
だから「+セグメントを追加」をクリックして「検索トラフィック」を選ぶと検索(主にGoogle、Yahoo、Bing)から来た人だけを絞り込むことが出来ます。
これで本当にわずかですが、それなりにPVやセッション数がある記事の滞在時間が長い記事が検索結果の上位に来ているかもしれない、という仮説を立てることが出来る状態になるだけです。
仮説を立てることが出来る資料がわずかに出ただけであって、あくまでも仮説であって、立証された訳ではありません。
でも、ここから本当に立証しようとしたら、膨大な数のデータを用いて確認作業に入ります。
それでも立証は出来ませんけどね。あくまで相関関係が導きだされるだけです。
コンテンツの目的があってはじめて意味を成す
そもそも、滞在時間が長いことが本当に良いことですか?
直帰率が低いことが本当に良いことですか?
本当はここから考えないと全く意味がありません。
そもそも、あなたが何か検索した時、ほとんどは
・知りたい
・解決したい
という理由からではないでしょうか?
で、コンテンツ(記事)に求められているものは、知りたいことの解決であり、解決したいことの解決であることはわかりますよね。
つまり記事を見てくれて解決すれば良いので、解決したら直帰になって、ページ滞在時間は0秒と記録されます。
むしろ他のページを見るということは解決していない可能性もある訳です。
解決していないということは、あまり良い記事では無いということになりませんか?
なのに滞在時間が長くて喜ぶのって本末転倒ではありませんか?
もちろん、解決したけど、関連記事やレコメンド記事に気になったものがあれば読んでくれる可能性もありますし、関連記事やレコメンド記事の中のタイトルを見て、ひょっとしたら自分が欲しい情報はこちらにあるかもしれない!と思って他の記事を見てくれる可能性もあります。
でも検索から来たユーザーが何を求めているなんて、はっきりいってわかりません。
予測して記事を書くことになりますが、それが正解かどうかなんて、読んでくれた人しかわかりません。
読んでくれた人が自分では解決したと思っていても実際には解決していないことだってあります。
だからこそ、本当に解決して欲しい!ユーザーのための記事を書く!というのなら、むしろ直帰率100%、ページ平均滞在時間0秒を目指すべき場合もあります。
また、中にはアフィリエイトによる収入を得るために記事を書いている人もいますよね。
アフィリエイト用の記事の1番の目的はアフィリエイトリンクをクリックして広告主のページに移動して、注文・申し込みをしてもらうことです。
だからアフィリエイト用の記事の理想は平均ページ滞在時間は0秒、直帰率100%になります。
でも、それが難しいからアフィリエイト用の記事に移動してもらうための記事、PVを稼ぐための記事を書いたりもする訳です。
・アフィリエイトを申し込んでもらうことが目的の記事
・アフィリエイトで申し込みをしてくれそうな人を数多く集めるための記事
・被リンクを得るために書く記事
・ファンになってもらうための記事
・SNSでシェアしてもらうための記事
上記のようにいろいろな目的を持った記事を書く訳です。
この時に「アフィリエイトで申し込みをしてくれる人を数多く集めるための記事」は「アフィリエイトを申し込んでもらうことが目的の記事」に移動してもらうことが大切になります。
つまり「アフィリエイトを申し込んでもらうことが目的の記事」の記事の平均ページ滞在時間は0秒・直帰率100%が理想になりますが
「アフィリエイトで申し込みをしてくれる人を数多く集めるための記事」はPVを得ることも目的ですが、「アフィリエイトを申し込んでもらうことが目的の記事」に移動してもらうことも目的になるので、平均ページ滞在時間はその記事を読むのにかかる時間(400~600文字で1分くらいですが、悩みの深いものなら300文字で1分くらい)になり、直帰率は0秒になるのが理想です。
つまり「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」でわかることの1つは、記事(コンテンツ)の目的が達成されているかどうかを確認するためであるということです。
僕はブログの場合、1記事完結を目指していることが多いので、理想は滞在時間0秒、直帰率100%を目指していることが多くなっています。
で、この考えでブログを運営してきて、順調にPVは伸びています。
まとめ・覚えて欲しいこと
このnoteで知って欲しいのは、
・平均ページ滞在時間は直帰しなかった人のみの平均時間だということ
・直帰率が高いことが必ずしも悪いことでは無いということ
この2つです。
そして、コンテンツによって目的は全く異なるので、コンテンツの目的にそった滞在時間や直帰率・離脱率を自分の中で設定して、コンテンツの目的に沿っているか確認してPDCAを回すようにしてください。
そうは言っても滞在時間が長い方がSEO上良いと言われているし、直帰率が低い方がSEO上良いと言われているから・・・と思う人もいるかもしれません。
でも僕のブログ「鈴木です。」で一番アフィリエイト収益が発生している記事の直帰率は直近1ヶ月で99.82%です。
1000人見てくれたら2人しか他の記事を見ていません。
それでも狙っているキーワードでもう4年以上も2~3位を維持しています(1位はそのキーワードの公式サイト)。
なお、僕は「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」よりもヒートマップツールを活用しています。
ヒートマップツールを使うと「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」を見ていろいろ考えていたのが馬鹿らしく思えるくらい、いろいろなことがわかってきます。
ヒートマップに関する記事は書いていませんが、多少は書いてある記事があるので、よければ参考にしてください。
https://suzukidesu.com/table-of-contents/
以上です。
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