たかが世界の終り
カンヌで賞とったっていうと、むしろ、みなくてもいい映画フラグが立ったりしますが、俺様の説としてはこれから先50年間くらいはグザビエ・ドランの時代なので、早めにみはじめたほうがいいです。
バージョン違いのチラシが確か6種類とかつくってあったし、宣伝も出来る限りのことはしてる感じ。
12年間 帰省していなかったゲイの劇作家の男がケベックの田舎の実家に帰省するのだが、その理由は…みたいな話。けばくて、五月蠅くて、深く家族を愛しているケベックおかんがナタリー・バイ。なにしてるか分かんないニート娘がレア・セドゥ。最初に嫌味をかまして、場の雰囲気が悪くなると、俺が悪いんだろ!と逆ギレする感じの悪い年の離れた兄ちゃんがヴァンサン・カッセル。色々察している風だが口下手なので、結局察してないのと同じ結果になる兄嫁がマリオン・コーティアール。
…という状況で、深刻な訳ありなのに、なにもしゃべれなくなって左頬の傷跡だけが気持ちを伝えている弟がギャスパー・ウリエル。
…顔のどアップだけがずーっと続いて、みんなフランス語をしゃべってるわりに舞台はケベックの庶民の家なので、背景には退屈なツーバイフォー感しかなくて、他に意識をそらしようもない。
結果、観客は登場人物たちの感情をずーーーっとぶつけられるんです。
ヴァンサン・カッセルがギャスパーにつらくあたる演技が繊細で凄いんですが、奥様によるとギャスパーが本当に彼の妹セシル・カッセルとつきあっててその後別れてたらしく、単に嫌味言い続けてるだけなのに怖さが涙目レベルで特に面白かった。