豊田自動織機、ダイハツの件で思うこと
会社員のすずきです。
大企業でぬくぬく働いています。
ぼくは自動車部品メーカの最大手に勤めています。
開発職場で管理職。
今ではなんの意味もなくクソみたいなタスクをこなすだけの毎日ですが、管理職になるまではたくさんの部署を異動して充実した会社生活を送っていました。
その中で、社外へ口外できないことも経験しています。
最近話題になった豊田自動織機とダイハツの不正問題については思うことがおおいです。
「できない」と言えない風土
「できない理由を探すな」
「できるまで諦めるな」
「できないデータばかり集めるな」
「できるためにやれることをやれ」
「できるためにどうするかを考えろ」
どれも言われたことのない会社員は少なくないはずです。
上司として部下に言っている人も多いでしょう。
この言葉は正しいと思いますが、成果につながるかは甚だ疑問です。
勝手に上がっていくハードル
ダイハツのミライース開発が成功事例として記事になっていますが、あんなのは社内あるあるです。
3ヶ月かかっていた仕事が2ヶ月でできるようになったら、次の計画からは2ヶ月で組まれます。
当たり前です。
できたんだから。
その中身を上層部は知りません。(知っていても考慮しません。)
他部署から人をかき集めて、フル残業して、土日も稼働して、夜勤まで組んで、仕入れ先をコキ使って、勤務外労働をしていたかもしれません。
先行発注、口頭発注、検収前の使用、商流ムシ、なんてことをやっていたかもしれません。
グレー(というかアウト)な方法を駆使していたとしても、どうにか短縮した納期が、今後の標準になります。
こうして、上がったハードルは簡単には下がらなくなります。
ゴールテープを切ったサラリーマンには響かない
日本の年功序列・終身雇用の弊害がこの問題には寄与していると思います。
まだ出世したい、給料をあげたい社員は頑張ります。
多少、上司に理不尽なことを言われても、仕方がないと割り切って働きます。
一方、出世を諦め、今の給料を維持するだけのおじさんはというと…
責任感なんてないので、のらりくらりと働きます。(働いてすらいないゴミも多いですが…)
上司が「できるまで諦めるな!」とゲキを飛ばしたところで、そもそもできなくてもいいと思っているわけです。
どうしようもないですよね。
シワ寄せは頑張っている人に向い、搾取構造のできあがり。
「できません」と言ったとしても…
どんなに頑張ってもムリなもんはムリ!ってことはあります。
それを「ムリでした」とデータを添えて伝えたとします。
激昂したお偉いさんが部下を萎縮させたり…
もうお客さんの日程は決まっているから…
なんで以前はやれたのにやれないんだー!なんてことを想像するのは難しくありません。
「できない」と報告できないという既成事実の出来上がり。
もうあとは、報道のように事実を隠蔽し、その場をやり過ごすしかなくなります。
本当にできないなら、謝罪して調整するか、上司が問題を吸い上げて解決の糸口を全力で探すしかありませんが、そんなことにはならないですよね。
責任の取り方がわからない上司
プロジェクトが破綻したら、実務者は上司に報告するしかありません。
その上司も上へ報告するしかないはずなのですが、どこかで「どうにかしろ」と言われて破綻という選択が消えてしまいます。
そうなると、だれがどう責任を取るのかがわかりません。
課長が「部長に言われちゃったからさ〜」なんてほざいて、よくわからない業務が降ってくることもあります。(今の上司)
きっと「できません」ってだれも言えないんだと思います。
年功序列の社内政治で出世した上司が多いですしね。
なるべくしてなった不正問題
大きな改革をしないと、このような不正はしばらく続くと思います。
会社の風土がそうなりやすい。
責任を感じて頑張った人が損をする。
責任感強く踏ん張っても報われない。
何も考えず、何もなかったように会社に来るだけの働かないおじさんの存在。
賃上げが一律で上がると恩恵が大きいのも働かないおじさん。
年功序列・終身雇用を早く撤廃して、成果を出さない人を解雇できる制度にしないと、日本企業の競争力は頭打ちだと思います。
豊田自動織機、ダイハツも問題ではなく、日本の雇用制度の問題だと感じます。