「教場2」(木村拓哉主演、フジテレビ)
2021年1月3日(日)と4日(月)の2夜連続テレビドラマ、「教場2」を見た。本作は長岡弘樹原作の「教場」シリーズを基にしたテレビドラマで、ちょうど一年前のこの時期(2020年1月4日と5日)に放送された、木村拓哉主演の「教場」の続編にあたる。
と、堅苦しい前おきはこれくらいにするとして、さっそく本題に入ろう。
今回の「教場2」放送に合わせて、前の週、年末の12月29日(火)と30日(水)に前作である「教場」の再放送があり、こちらも逃さずに見て内容を再確認したばかりである。
一年前に放送された前作「教場」は、初めて見たときも素晴らしいと思った。このドラマを見る直前の2019年に、原作本「教場」を実際に読み(今も私の書棚に並んでいる)、そのクオリティの高さに感銘を受けていたところ、ドラマ化された「教場」も、原作の雰囲気を壊すことなく丁寧に仕上げられていたので、見ていて非常に気持ちが良かった。見る前は、木村拓哉が風間公親役という点を少々気にしたが、最近のテレビドラマ「BG」シリーズなどは良かったし、「教場」の風間役もなかなか好感が持てた。
そして今回の「教場2」、これはどうか。
印象は、「少し違うな」というものだった。
確かに、前作の雰囲気を踏襲し良く出来ているように見えるが、前作のようにシンプルに、ストレートに、心まで響くものが無い。それはなぜか。
洞察力に長けた風間が様々な仕掛けをしてくるのは前作同様だが、どこか違う。ボタンの掛け違いというか。
また、番組の告知CMなどで、重要と思われる場面やセリフを細かくカット割りして見せていた映像も、本編を見る前から引っ掛かっていた。これらのセリフが本編でどうつながっていくのか、どう消化されるのか、無理がある気がしていたのだが、やはりそうだった。本編を見ると、やや過激と言えるそのようなセリフがなぜ出てくるのか、違和感を感じるモノが少なからずあった。ストーリーとの整合性も取れていない気がした。エンターテインメント性を強調し過ぎて、方向性を見誤ったか。
総じて「良」という評価をする人が多い気がするが、個人的にはなんだかスッキリしないドラマと言わざるを得ない。前作が好印象すぎたのかもしれない。一作目がこれだったら、さして突っ込まずに流していたのかも。
また原作本でも読み直すか。