育児日記第9回 ベイビーと過ごすクルマの時間
しばらく母の育児日記が続いていたが、そろそろルピタの話に戻ろう。
これまであまり触れて来なかったが、自家用車の話をしておこうと思う。ベイビーとの暮らしを考える上で、クルマの話はわりと重要だ。
独身の頃から乗っていた愛車はお気に入りだったのだが、ルピタが産まれた後、屋根の塗装がハゲたりして情けない感じになってきたのを機に、買い替えを検討し始めた。クルマを所有することを辞める、ということも検討したが、ライフスタイルの変化でその頃に車移動が必須の生活になっていたため、クルマは維持することに決めた。そこで、次のクルマを決める上でまずポイントとなったのは、どういう基準で車種を選ぶか、ということである。具体的には、
・現在の路線を維持するスペシャリティ系(税金が高くても大排気量、MT、ハイオク、セダン)
・ベイビーを含む多人数で乗れるミニバン系(7~8人乗り、居住性重視)
・徹底的にコストを抑えた軽自動車系(とにかく安い軽自動車、軽バンでも可)
という3つの方向性である。
前提として、私は新車を買わない主義なので、実際に選ぶ車はマーケットの動向に左右される。つまり、ネットで中古車を継続的に検索して、これはと思うモノが見つかったら問い合わせたり実車見学したりして、上記3つの方向性を踏まえつつ比較しながら、絞り込んでいくというスタイルである。
それまで乗っていたクルマがわりとランニングコストのかかるクルマだったため、次のクルマは全く逆方向の、維持費がかからないクルマにしたいという気持ちもあり、個人的には軽自動車系はかなり魅力的だったが、よく考えてみたら軽自動車は4人しか乗れない。そのようなわけで、スペシャリティ系かミニバン系の中から選ぶことにした。
この点、レクサスの最上グレードの車種でさえ10年落ちくらいになると十分の一の価値まで下がることに、ひょんなことから気づいた。新車価格1500万円だったものが、10年後には中古車価格150万円になっているということだ。
そこでふと思ったのは、「そろそろレクサスの最上級車に乗ってみてもいいのではないか?」ということである。1500万は無茶だが、150万なら無茶ではない。ネットで検索してみると、全国規模で探すなら100万円台のLS600が何台かヒットする…。これはあり得るのではないか…。
クルマ選びはもちろんアレクサとの共同作業である。彼女の優先事項はベイビーであり、そして希望は、彼女のファミリーが来日した時に皆で移動できるような7人乗りミニバンであった。だが、最上級のレクサスというアイディアには興味があるようだった。なかなか乗る機会の無い車種だし、そのようなクルマを自家用車にするというのは斬新な発想と思えたのだ。
クルマを買い替えよう、と具体的に思い始めてから約半年。マツダのプレマシーに決定した。ネット検索ではなぜかヒットしなかったが、ヒットしたクルマをチェックしていたら条件が似ているクルマとして自動的におすすめ表示されたクルマだった。実際のところ、その頃にはプレマシーを重点的にチェックしていたのだった。
LS600も検討していたというのに結局のところプレマシーか、とがっかりした友人もいたような気がするが、このプレマシー。地味だが、期待以上にいい買い物だった気がする。
使い勝手がいい。
ATだが排気量は2000ccあるので走りは悪くないし、チャイルドシート(ベビーシートというべきか)をセットしても、セダンには無い社内のゆとり感がたっぷり。3列シートを倒せばラゲッジスペースもたっぷりだ。
LS600への憧憬は捨てきれないが、もう少し先送りしよう。とはいえ、その頃にはLS600は無くなってLS500になっているのかもしれない。
独身時代に「次のクルマ候補」の筆頭だったインプレッサSTIやマツダスピードアクセラは、今回いちおう検討はしたものの、有力な候補とはならなかった。今後は有力候補からどんどん遠ざかっていくのかもしれない、などと考えた。
最後に、ベイビーとの生活を考えると、クルマは極めて便利だと思う。ルピタを連れてアレクサと3人で電車に乗ることもあるが、クルマのほうが圧倒的に楽だし、ベイビーにとっても圧倒的に「安全」だと思う。ベイビーにとっての安全第一を考えると、まさにLS600はボディガードっぽいわけで、サマになっているなとも感じる。
レクサス…捨てがたい。
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