トラベラーズチェック

 もう数年前のことになる。

 AMEXのトラベラーズチェック(TC)を買ったことがある。普段はキャッシュ(現金)とクレジットカードで海外旅行をするので、TCなどそれまで買ったことがなかったのだが、しかし何を思ったか、いつもと違うものを試したくなって、つい買ってしまったのである。

 とはいえ、TCはもう過去の遺物。海外へ行った時も使える場所が全然なく、キャッシュに換金することさえできないことに気づいた。アメリカの空港でさえ、ショップ店員に何やら胡散臭いものみたいにみられてしまい、厄介なものを持ち込んだヤツみたいに煙たがられる始末だ。

 今はもう、現金でなければクレジットカード、あるいは電子決済か、TCなど一体どこで使うんですか?という感じになったしまったようだった。まぁ、私自身これまで使ったことが無かったわけだから、昔と比べて使い勝手が悪くなったのかどうかもわからないわけだが…。

 いずれにせよ、私はTCにウンザリした。

 しかも、国内で処分(換金)する場合に関しても何やら怪しいうわさが飛び交っていた。早く処分したほうがいいとかなんとか。

 私がそのTCを購入したのは丸の内のシティバンクの窓口だったのだが、そこはもう閉鎖されていて、シティバンク自体は別の場所に移転していたようだったし、そもそもシティバンクではTCの取り扱いをすでに中止したらしかった。

 シティバンクで取り扱っていたTCは、SMBC信託銀行Prestiaに移管されている(引き継がれた)というので、八重洲口にあるPrestiaへ行こうかと思ったが、時間がなかったりでしばらく先送りにしていた。

 で結局、所用があって立川を通りがかった際に、立川のPrestiaへ行くことにした。

 行ってみるとそこは、以前シティバンクの支店があったところ。

 TCとは全く関係ないが、私はそのシティバンク立川支店で米ドル口座を初めて開設したので、非常に思い出深いところでもあったから、もうすっかり変わってしまっているのを見てちょっと悲しい気分にもなった。

 とは言うものの、後になってシティバンクの口座を閉鎖した理由はまさしくこのシティバンクのサービスに不満があったからで、「ああいうサービスをしているようでは事業が縮小になって当然だろう」というような、ある種の「自業自得」感を抱かないわけでもなかった。

 シティバンクに関しては他にもいろいろあるのだが、それはまた別の機会にしよう。

 SMBC信託銀行立川支店の店内では制服警備員1名が立哨していた。ALSOKの警備員氏である。シティバンク時代も同じALSOKの警備員氏が立っていたから、勤務している警備員そのものももしかしたらまったく同じ人物なのかもしれない。

 TCの現金化はそこでようやく完了した。やれやれである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?