ポケモンカードゲームについて考察する

昨今、新作が発表されても入手することが難しいポケモンカードゲーム。今やトレーディングカードゲームとしてではなく投資対象としても大きな注目を集めています。
ここでは、そんなポケモンカードゲームについて考察していきます。

まず、ポケモンカードゲームのタイトルに冠しているポケモンについて考えていきましょう。
ポケモンとはポケットモンスターの略称です。
ポケットモンスターは1996年にゲームフリークより発売された任天堂ゲームボーイ用のゲームソフトです。当時は赤バージョンと緑バージョンがリリースされ、瞬く間に大人気となりました。
ゲームのジャンルはロールプレイングゲームで、ポケモンマスターを目指す主人公を操作して多くのポケモンを集めながら強敵と戦い、勝利していくことでストーリーが進行します。
150匹のポケモン(後に151匹となる)を集めてポケモン図鑑を完成させることも目的のひとつとなり、現在のポケモンカードゲームの「コレクター」部分にも通ずるものが見られます。

大人気となったポケットモンスターはゲームだけではなく漫画やアニメ、玩具等の様々なメディア展開を見せることとなりますがそのうちのひとつがポケモンカードゲームです。

ポケモンカードゲームはポケモンのゲーム性を踏襲したカードゲームとなっており、ポケモンを語る上で欠かせない進化等のシステムも上手くカードゲームに落としこんでいます。
当時はカードゲームというものは日本の子供たちには馴染みがなく、世界初のトレーディングカードゲームであるマジックザ・ギャザリングが発売されて間もなかった時代にこれだけ浸透させられたのはポケモンの影響力、そしてメディアの力の凄さという他ないでしょう。
後に登場する遊☆戯☆王やデュエル・マスターズ等もこのポケモンカードが築いた礎の上に成り立っていると考えると感慨深いものがあります。

さて、そんなポケモンカードについて詳しく考えていきましょう。
カードサイズはMTGと同じ63mm×88mmとなっております。実はこれ、トランプに置き換えるとポーカーサイズと呼ばれるものと近しいサイズになっています。トランプにはブリッジサイズという手の小さい子供や女性でも扱いやすいサイズがあるのですが、子供をターゲットにした玩具で何故ポーカーサイズに近いものが選択されたのでしょう。
私は「イラストとテキスト量」によってポーカーサイズが選ばれたのだと考えます。
ポケモンカードの表面には
・ポケモン名
・レベル
・HP
・属性
・ポケモンタイプ
・ポケモンサイズ(身長、体重)
・わざ(及び必要エネルギー量、わざによって与えるダメージ、効果)
・にげるために必要なエネルギー
・弱点属性
・抵抗属性(及び抵抗属性より受けるダメージ軽減量)
・ポケモンの説明
・イラストレーターの名前
・ポケモン図鑑ナンバー
が書かれています。
これだけの情報を見易く、尚且つかっこよく、かわいいポケモンたちのイラストも目立たせながら配置すると、ポーカーサイズにならざるを得なかったのでしょう。
また、子供たちに危なくないように四隅は丸く面をとった加工がされており、触った際に不快感を与えないようにツルツルとしたコーティングがされています。
ここには花札やトランプでノウハウを培った任天堂の叡智が詰め込まれているのでしょう。
その技術はメディアファクトリーから株式会社ポケモンへと受け継がれています。

そんなポケモンカードも発売から約5年経った2001年にデザインが一新されることとなります。
2001年以前のカードが所謂旧裏と呼ばれるカード、それ以降が現行のカードとなっております。
変更理由は海外で1999年に発売されたポケモンカードとデザインを統一したかったからと言われています。全世界的なポケモン人気に目を付け、海外展開にも力をいれようとしたんでしょうね。しかしながら、それも叶わず日本のみデザインが変更されることとなったようです。
何故日本のみ変更されたのか理由は不明ですが、カードeリーダーで遊べるようになったりした加減もあって表面のデザインもかなり変わったのでそれを機に一新したのではないでしょうか。また、株式会社ポケモンに商号を変更したり海外にもポケモンUSAを設立したりと色々と切り替えのタイミングだったのかもしれません。
余談ですがアメリカではポケモンはアニメが先に放映され、その後にゲームが発売されています。
また、ポケットモンスターは英語圏ではスラングで男性器をあらわす言葉なため、Pokémonと呼ばれています。
そんなこともあって、旧裏面デザインにはポケットモンスターと書かれていましたが、新裏面デザインではPokémon表記に変わっています。
ちなみにパックの表記は2000年に発売したneo(金銀ポケモンの登場)から、それまでのポケットモンスターカードゲームからポケモンカードゲームへと変更されているので、この頃から海外展開に力を入れることが視野に入っていたことが伺いしれます。

こうして紆余曲折を経ながら尚全世界で人気カードゲームとして君臨し続けるポケモンカードゲーム。
考察というよりは半分歴史を辿るようなものになってしまいましたが、皆様のポケカライフの中でマウントを取れる知識があることを祈って、このnoteの括りとさせていただきます。
ご高覧いただきありがとうございました。


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