奪われた光 #9

俺は三上。ひょんなことから鳥取に来ることになった。そして、みんなと逸れて迷子になってしまったようだ。

実は、俺には秘密がある。それは双子ということだ。しかも一卵性である。
なんでこんなことをカミングアウトしたかというと、俺は今回のメンバーと友達ではないのだ。俺は双子の弟で、名前はまさと。兄は、ゆきとだ。

ゆきとが昨日の晩から高熱を出してしまい、代わりに言ってくれないかと頼まれ、一度断ったが、友達に申し訳ないからとしつこくお願いをされた。そして、ちょっと兄貴感を出して「お前にも外の地を見に行ってほしい」だと。
たしかに俺はあまり外出するタイプではなく、あいつも心配だったのかもしれない。これ以上断り続けるのも可哀想だったから渋々いくことにした。幸いにもゆきとは普段からあまり喋らないタイプで、たまにみんなに合わせて笑うなりをしておけば、ごまかすことができた。

しかし、急遽行くことになった鳥取で迷子になるとは…
ちょっとふらっと空港内を回ってみるか。

ひとりでぷらぷら歩いていると、可愛い子が話しかけてきた。


「あなた1人でこんなところ歩いて迷子なの?」

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