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なぜやりたいことが出なくなったのか③
将来の夢は?
これから何をやりたいの?
どう生きていきたい?
これらの質問に答えられなくなったのはいつからだろうか。
備忘録を兼ねて自分の過去を紐解いてみることで、どうして自分の欲がなくなったのかということについて考えてみたいと思います。
ざっくりと6つの時期に分けて書いてみます。
①幼少期(生まれてから小学校まで)
②中学・高校時代
③浪人時代
④大学時代
⑤社会人時代(地方銀行)
⑥社会人時代(コンサルティングファーム)
本記事は③浪人時代です。
「耐えること」を極めたら、受験の結果は出た。けれど、長い目で見たら自分の意思が出なくなった原因の一つとなった。というお話。
浪人時代
自分は何者?
親への申し訳なさからスタートした浪人生活。
塾に通うために、電車の定期の申込書を書いていたとき、会社員/学生等の属性を記入するところですごくモヤッとした気持ちになったことを覚えています。
「会社員でもない。学生でもない。フリーターでもない。一体今の自分は何者なのか?」と。
「ただただ親のスネをかじって過ごしている人間でしかない」ことを自覚し、すごく自分のことを情けないと感じていました。
自分に課した責務
親に迷惑をかけているだけではいけないと思って、やるべきことはやろうと決意しました。
そして私が自分に課した責務は「毎日時計の短い針が1周するまで勉強をする」ということでした。
朝9時前に塾につき、ひたすら自習。12時から13時まで昼休憩を取り、13時から21時まで適度な休憩は取りながらも、ひたすら自習。
浪人開始から受験合格までの間で、勉強することを休んだのは、名古屋に万博を見に行った日と、オープンキャンパスに行った日と、お正月(三が日)の計5日だけでした。それ以外はひたすら勉強の日々でした。
質ではなく、量でカバー。
効率もなく、ド根性。
しかもモチベーションは、自分が受かりたいという気持ちよりも、親に申し訳ないという自責からくるもの。
当時は目の前のことに必死になっていただけですが、知らず知らずのうちに「我慢」のスキルが大幅にレベルアップしていました。
両親からの評価
浪人時代はほぼ勉強をしていた記憶しかないのですが、ふと出た父親の言葉と、ある母親の態度だけは記憶に残っています。
まず父親の方から。
父は私が小学校5年生から単身赴任をしていたこともあり、滅多に顔をあわせないので、当然私がどのような浪人生活を過ごしていたのかは知りませんでした。
それなのに、正月に家族や父の友人と食事をしていたとき、父が父の友人にぼそっと、「早稲田なんて無理だと思うんだけどなぁ」とつぶやいたのです。
このとき「ふざけるな」とか「お前に分かるはずはない」という思いではなく、「こんなにも期待されていないんだな」と冷静にショックを受けたことを覚えています。
今度は母親の方。
今はわかりませんが、当時は関西方面の大学の入試が2月初旬に始まり、東京方面の入試が2月下旬から3月中旬にかけて始まるスケジュールでした。私は関西の大学も受け、一足はやく合格というものをもらうことができたのですが、早稲田が本命だったので勉強を続けてました。
すると普段は全く私に口を出してこない母が、「まだ続けるの?もうここで万々歳じゃん」と言い、早稲田なんか無理なんだから諦めろと言わんばかりに、関西の下宿先を真剣に探し始めたのです。
「母もまた自分のことを期待してなかったのだな」とそこそこショックを受けたことを覚えています。
これらの記憶は、一番近い親という存在から期待されていないことを明確に知った瞬間でした。「自分なんか大したことない」と必要以上に謙遜し、自分を低く見積もる癖を作り上げた要因の一つになったことは間違いないです。
受験勉強の果て
たくさん勉強したこともあり、第一志望早稲田には何とか合格することができました。今まで中学受験、高校受験(現役)と滑りに滑ってきた私が掴んだ、初めての大きな成功だったのかもしれません。
こうした浪人生活の成功は、努力を通じて何かを掴み、その先の人生を大きく変えることができたという点ではとても大切な経験です。
でも一方で、「我慢して頑張れば、いつかは報われる」と、我慢を美徳とする考えを私に根付かせてしまった経験でもあります。
合格したにも関わらず、「やった!」という気持ちはほんの少しで、「ほっとした」「やっと勉強から解放される」という気持ちでいっぱいだったことがすべてを物語っているような気がします。
これまで幼少期から浪人時代までの備忘録を記載してきましたが、どれも大人になって「自分の気持ち」や「自分らしさ」が出なくなった原因となる経験をピックアップしております。
当然プラスの経験もありますが、これはまたどこかで書くとして、ひとまずやりたいことが出なくなった要因をを書き続けていきたいと思います。