男と女、浮気をしているのはどっちが多い?
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男と女、浮気をしているのはどっちが多い?
不倫などの不祥事(?)がスキャンダルとして報じられるのは、日本だけではなく、アメリカ合衆国でもヨーロッパでも、よくあることのようです。プライベートな問題のはずですが、そのために失脚した政治家や、最近では生死に関わらる問題にまで発展しているようです。さて、そんな不倫や浮気ですが、男女では、どちらのほうがしているのか。どれくらいの夫婦において、浮気をしている方々がいるのか。
アメリカ合衆国の一般社会調査(General Social Survey(GSS))によると
という結果でした。「男性で10人に2人、女性で10人に1人」という言い方をするとちょっとどきっとします(笑)が、一応ファクト、事実です。そして実態はもう少し複雑になっていきます。次のグラフは、年齢別男女別の浮気率です。
30歳前までは女性のほうが浮気率がわずかに男性を上回っています。以降は、男性の方が浮気率が女性より高いのですが、そのピークがなんと70歳を超えてから。女性は60代のときに浮気率が最高の16%に登りますが、以降急激に下がっていきます。
1990年代までのトレンドデータを見ると、昔から男性の方が女性よりも浮気をする確率が高かったようです。それでも、過去には、高齢男性は若い男性よりも浮気をする確率が高かったわけではありません。1990年代、不倫率のピークは、男性は50~59歳(31%)、女性は40~49歳(18%)でした。男女ともに年齢がそれ以上に高くなるほど低くなっていました。2000年から2009年にかけて、不倫率が最も高かったのは、男性は60歳から69歳(29%)、女性は50歳から59歳(17%)に移りました。一方、80歳以上の男女差は、20年間で5%から12%に拡大しました。
つまり、
•浮気率のピークが徐々に高齢化している
•80歳以上の男女差は拡大し続けている
というのが、浮気のトレンドのようです。このトレンドの背景には、世代ごとの性に対する考え方の違いがあるようです。これをコホート効果と呼びます(集団によって異なる傾向があること)。
1940年代と1950年代に生まれたアメリカ人は、婚外セックスの割合が最も高いと報告されていますが、これはおそらく、彼らが性革命(Sex revolution)の時代に最初に成人した世代のためではないかと考えられています。
1940年代と1950年代に生まれた女性は、他の年代の女性よりも浮気率が高く、1930年代と1940年代に生まれた男性は、他の年齢層の男性よりも浮気率が高くなっています。この2つの集団の浮気率の高さは、時間の経過とともに年齢が上がるにつれて、ジェンダーギャップのパターンが変化することに関わっています。
人種によっても浮気率が違いがみられ、浮気をしたことがあると答えた結婚歴のある黒人の割合は約22%、白人は16%、ヒスパニック系は13%でした。
こちらの表も興味深い内容です。共和党より民主党のほうが浮気率が高い(笑)。なぜでしょう? どういう要素が浮気と関わるのかも調べた結果、年齢、人種、党派性、宗教行事への参加、家族構成などが浮気率と関係がありました。
浮気は離婚・別居につながる
過去に浮気をしたことがある既婚者の40%が現在、離婚または別居しています。一方、浮気したことのない既婚者が離婚に至った割合は17%に過ぎません。過去に浮気をした人たちのうち、現在も結婚している人は53%ですが、浮気したことのない人たちのうち、現在も結婚している人は76%でした。
調査と実態の差
しかしこれらの調査は、自己申告によるものなので実態を反映しているかどうかはわかりません。こんな推測もあります。『When You're The One Who Cheats』の著者であるタミー・ネルソン博士によると、女性の方が浮気をしているだけでなく、浮気をしても逃げられることが多いのではないかと疑う理由があるそうです。それは、
この推測の背景にある男女がおもしろいです。男性は、欲望によって、いきおいで無計画に、無謀に浮気してしまうのに対して、女性はニーズを感じたためにそれを満たすために、熟考したうえで計画的にする傾向があるからでは?というもの。それっぽいです。いずれにしろ、男女の性戦略は大きく異なるので、この推測はとても興味深いです。
まとめ
浮気というのは、決定的な過失というよりは、人間の動物由来の行動であるとわたしは考えていますし、それは理性で抑えられるかどうか、という問題ではないとも考えています。じっさい科学者たちの意見も「浮気は悪」という考えに結びつくものが、亀山早苗さんの『人はなぜ不倫をするのか』のなかにもみられませんでした。
「不倫は悪いことではないが、大きな問題に発展するのでお気をつけて。または同意が得られる工夫を」
モラルや倫理というのは、流動的であるし、そもそも「誰かにとって都合が良くなる社会規範」です。それに盲目的であることは、在る種の思考停止とも言えるかもしれません。幸福の追求というのが人生の目的であれば、思考は停止しないほうが多分良い気がします。
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参照
※1:Institute for Family Studies “Who Cheats More? The Demographics of Infidelity in America”
※2:タミー・ネルソン(著)『When You're The One Who Cheats』
※3:Fatherly “o Men Cheat More? Maybe Not as Women Close the Infidelity Gap.”