「ジンクス」とは思い込み。錯誤相関とは
「黒猫が横切ると不吉なことが起こる」
という迷信をおぼながらに信じてしまっていたりませんか?わたしは昔信じていて、自転車を漕いでいるとき目の前を通り過ぎようとした黒猫を横切らせまいとして轢きそうになったことがります(バカ)。
ほかにも
「四葉のクローバーを見つけると幸せになる」
という迷信もあります。黒猫と不吉な出来事や四葉のクローバーと幸福に相関関係はありません。しかし迷信だったり、単に自分での思い込みも含めて、まったく関係のない出来事を結びつけて考えてしまうことがたびたびあります。これを「錯誤相関(Illusion of correlation)」といいます。血液型(日本のみ)やジンクスは、この錯誤相関と言えるでしょう。
錯誤相関とは
錯誤相関 (Illusory correlation)とは
関係がない2つの出来事に関係があると思い込んでしまう錯覚
出来事が記憶に残りやすいネガティブなものであるとき特に起こりやすい認知バイアス(後述)です。
錯誤相関は、ステレオタイプが形成され、持続する一因と考えられています。ステレオタイプ(英: Stereotype)とは、「多くの人に浸透している先入観や思い込み」を意味した言葉でアメリカのジャーナリスト、ウォルター・リップマン(Walter Lippmann)によって命名されました。
デイヴィッド・ハミルトン(David Hamilton) とテレンス・ローズ(Terrence Rose)が、ステレオタイプによって人々が特定グループとある特色が結びつくことを期待するようになり、その2つの関係を過大評価するようになることを発見しました。
対策
物事に因果関係がないと落ち着かないのが人間の性質です。ゆえにジンクスなどを多く作り出し、世の中の理みたいなものをひとつずつ獲得したくなるわけですが、これらは間違いであるので、ゴールに近づきたい人たちは、避けたい思い込みです。不合理な行動の源になるからです。
では。錯誤相関をどうやって避けられるでしょうか。答えはシンプルで
相対化
です。ジンクスなどの思い込みは絶対的です。黒猫→不幸。これを相対化すると「黒猫→幸福」というケースはあるかどうか。黒猫を飼っているのに幸福な人が世の中にいるかどうか。また黒猫が横切らないのに不幸になるケースはないか。それらと黒猫が横切ってしまった後に不幸になったケースと数に差があるだろうか。ここまで考えられれば、ジンクスがナンセンスだと気づくことでしょう。(ジンクスによって「気持ちが落ち着く」という効果が得られているなら、その恩恵にあずかるのも悪くないでしょうけれど、逆にジンクスがゆえに不安が増えるようなときにはそれが単なる思い込みであることを相対化を使って自分に教えてあげるのが効果的です。
認知バイアスとは
認知バイアスとは、人間が進化の過程で獲得した行動様式のバグ。無自覚で不合理な行動の元です。頭が良くても陥るもので、熟知すると落とし穴に落ちないで済むし、利用もできるようになります。
参照
※1:Illusory correlation in interpersonal perception: A cognitive basis of stereotypic judgments.