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感情を理由に行動するとろくなことがない:認知バイアス「感情バイアス」
「認知バイアス大全」マガジン
感情バイアス
感情バイアス (Emotional bias)
たとえ相反する証拠があっても、心地よい感覚をもたらす肯定的な感情効果のあることを信じたがる傾向。 逆に好ましくない、精神的苦痛を与えるような厳しい事実を受け入れたがらない傾向
具体例
中立的な出来事に対して否定的な判断を下す
肯定的な感情的効果を持つもの、つまり快感を与えるものを、たとえ反対の証拠があったとしても信じること
不愉快で精神的な苦痛を与えるような厳しい事実を受け入れることを嫌がること
最後のものは、「ダチョウ効果」に近い。ダチョウ効果とは、「危機の存在が明白であるにも関わらず、そのような問題は存在しないように考える傾向」。
感情と意思決定
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感情は、多かれ少なかれ、わたしたちの意思決定に影響を及ぼします。そして、意思決定にもっとも影響を及ぼす感情は、悲しみ、嫌悪、罪悪感です(※2)。怒っている人は、迅速に意思決定をする傾向がありますが、その決定を分析することはほとんどありません(※4)。
対策
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感情に意思決定をさせないルールを設ける
では何に意思決定を委ねるのか。1つはルール。こうなったらこうする」という定形のルールを設けるとバイアスを軽減できます。関連したテクニックとして「If-thenプランニング」というものがあります。もうひとつは、損得で判断すること。感情はだいたいにおいて間違った判断を下し、そしてその後わたしたちを落胆させます。感情は大事にみえて、まあまあ困った結果を生み出します。
応用
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人間は、損得でも合理でもなく、その多くが感情で行動する場面がある。それを利用する
合理より損得より感情を行動選択の理由にする場面が、人間にはあるので、その場合を見つけ、利用する。そのためには感情の動かし方を理解する必要があります。
関連した認知バイアス
ディスポジション効果(Disposition effect)
株などの資産が値上がりした時には売りたがるが、値下がりした時には売りたがらない傾向。
参照
※2: 感情バイアス
※3:Angie AD, Connelly S, Waples EP, Kligyte V (December 2011). "The influence of discrete emotions on judgement and decision-making: a meta-analytic review".
※4:Lerner JS, Tiedens LZ (2006). "Portrait of the angry decision maker: How appraisal tendencies shape anger's influence on cognition"
https://en.wikipedia.org/wiki/Emotions_in_decision-making